2010年12月31日金曜日

高木貞治 近代日本数学の父

高木の人生を追いながら、日本に欧州の数学が導入されていく様子、ドイツが数学の中心だったころのドイツの数学者達、高木が類体論を完成させていく様子が描かれています。
初めての洋行、1900年の春にベルリンからゲッチンゲンに移る。本当はウェーバーのいるシュトラスブルグに行こうとしたらしいが、途中でゲッチンゲンに立ち寄ってヒルベルトに会い、計画が変更された。ゲッチンゲンでは「週に一度、談話会があったが、その談話会というのはドイツはもちろん数学の世界全体の中心地であった。高木は25歳にもなって『数学の現状に後るること正に50年』というようなことを痛感した。」
「それでもそれから三学期、すなわち1年半の間ゲッチンゲンの雰囲気の中に生息しているうちに、なんとなく50年の乗り遅れが解消したような気分になったという。『雰囲気というものは大切なものであります』」
「ヒルベルトの研究の仕方というのは非常に独特で、数論に心が向く時期には数論に専念するが、行くところまで行き着くと数論から離れ、全然別の領域に移っていくというふうであった。」
「類体の概念を『分岐しない類体』の範疇で把握すると『アーベル体は類体である』とは言えないが、類体の概念を拡大して『分岐する類体』を考えることにすると、どのアーベル体も類対として諒解される。これが高木類体論の『基本定理』であり、理論全体の根幹となった発見である。」
「類体の理論を建設して、その土台の上に『クロネッカーの青春の夢』と一般相互法則という二本の柱を打ち立てるのは、数論の世界にヒルベルトの心が描いた夢であった。『クロネッカーの青春の夢』を大きく包み込むかのような、簡明で壮麗な巨大な夢である。高木はこのヒルベルトの夢を継承し、『分岐する類体の理論』という、ヒルベルトの大きな夢をさらに大きく包み込んでしまう理論を構築した。高木もまた数学に夢を描く数学者であった。『クロネッカーの青春の夢』もヒルベルトの夢も、高木の夢に包まれてことごとく実現したのである。」
最後の洋行で32年ぶりにヒルベルトを訪問した高木。「毎日、(効き目があるというので)生の肝臓を食べて不治の難病と戦いつつ、時には若手の助手連中に揚げ足を取られたりしながらも、どうしても排中律の証明などを書かずにはいられないヒルベルト」
「余生などというのは論外で、『生きながらの餓鬼道ではありませんか』と高木は嘆息し、『恐ろしいのは、これも不治なる知識追求症です』と心情の声をもらした。」
『解析概論』が書き下ろしの単行本ではなく、『岩波講座数学』に分載されたのが初出だったこと、高木は学生の集中力は30分が限度という持論を持っていて、きっかり11時半に教室に現れて、12時にぴたっとやめたことなども書かれています。
意外だったのは数学の抽象化というのは比較的最近の出来事だったこと。抽象化の傾向が目立ち始めたのはWW1の直後、20年代のはじめころ。「新思潮は『決河の勢』をもってまず代数学を征服した。ついで位相学を再建し、線形作用素の理論を統一し、確率論に数学的なる基礎を与えるという勢いを示し、『数学の全嚝野を風靡してその面貌を一変せしめるに至った』。」

2010年12月26日日曜日

「インデックスファンドの魅力」とよく言うけれど

FP系の人は「インデックスファンドの魅力」とよく言うけど、インデックス・ファンドの魅力はコストが若干安いことだけだ。90年以降の日本株インデックス・ファンドを魅力的というのか。今後は世界的にも右肩上がりの株価上昇が期待できなくなっている。安易に儲かる時代は終わったことを覚悟せよ。

今後の20年を考えたときに、欧米が日本の失われた20年を後追いする可能性はそんなに低くない。新興国はバブル&バーストを繰り返すだろう。インデックス投資、長期投資、分散投資が魅力的って素人でも言えるけど、本当にそれでいいのか、もう少し真剣に考えてみたら。それでもいいと思うんなら自分の金でポジション取って勝負してくれ。
コストの安さは重要だ。ただ、相場ではその安い分が一日で吹き飛ぶこともある。コストが少し安いから、という理由で積極的に買う理由にはならない。「インデックス」ファンドは魅力的ではないのだ。
簡単に分散投資できる手段としてインデックスファンドは良いという人の意見も分かる。しかし、そもそも分散のための分散投資をする必要はない。上がるものを買い下がるものを売ればいい。

2010年12月24日金曜日

問題視されているリーマンの「レポ105」による会計操作

「ヘッジファンド投資ガイドブック」には、最近問題視されているリーマンの「レポ105」によるバランスシートの見かけ上の圧縮についてもわりと詳しく書いてある。
リーマンの2007年11月の決算時で自己資本225億ドル、総資産6911億ドル。レバレッジ比率約30倍。総資産はトレーディング用のロング・ポジションと担保付貸出が大半。後者はヘッジファンドに対するプライム・ブローカー業務による部分とレポからない、いずれもオーバーナイトが中心の短期の資産。現金は73億ドルで1%を占めるにすぎない。
負債側は、レポによるファンディングとショートポジションが60%を占め、長期負債はわずかに18%にしかすぎない。12%の買掛金はヘッジファンドからの現預金。
レポとリバース・レポが重要な割合を占めていた。
リーマンが社内で「レポ105」と呼ぶレポ取引による会計操作の目的はバランスシートを縮小し、ネットベースのレバレッジ倍率を小さく見せることだった。これは格付けを維持するためであった。格付け会社はグロスではなくネットベースで見るからである。
通常のレポ取引では102ドル相当の価値のある債券を相手に提供して100ドルの現金を調達し、2ドルの部分が超過担保に相当し、これが価格変動分に対するクッションになる。しかしこの場合には105ドル相当の債券を提供することによって、この取引はレポ取引ではなく売買取引扱いとなり、調達した現金で負債を返済することによって、バランスシートを縮小した。しかし資産の質は時間とともに流動性の劣る資産の塊になってしまった。彼らのファンディングはレポ取引が中心であり、有価証券を担保に資金を調達する。リーマンも最後はこのファンディングで行き詰った。
投資銀行はレバレッジの拡大によって、高いROEを達成してきた。このときの資金調達の主要な部分が、レポ取引とリバース・レポ取引の活用。バランスシート拡大のための資金調達手段であるレポは、短期のロールオーバーが中心。したがって資産サイドの大幅な下落により自己資本が毀損するような状態になると、株価が売られるだけでなく、レポの担保の掛け目も厳しくなる結果、現金の調達力が低下し、しかもレポの期間も1週間から、3日、1日というように短期化してくる。

リーマン破産に関するJENNER&BLOCKのチェアマンAnton R. Valukasによる2200頁のレポートはこのウェブサイトで見れる。


2010年12月21日火曜日

格付け機関の意義

(1)格付けのビジネスはS&P、ムーディーズ、フィッチの3社の独占的状態が続いている。
(2)格付けはあくまでも投資をするうえでの「参考意見」でしかない。
(3)投資家は自前で信用調査をするか、格付け機関のの格付けを利用するしかない。格付けに変更はつきものであり、その変更には最大限の注意が必要。格付け会社は自らがトリガーを引いて当該の会社の危機を助長したり、倒産に貶めるようなリスクを避けたいがゆえに、格下げのタイミングは往々にして遅れがちになるといわれる。クレジット・アナリストの役割の1つは、こうした格付け会社の動向を推察し、格付けの変更が公表される前に動くことができるかどうかである。
(4)格付けの変更の際、特に投資適格債(ハイグレード債)から非投資適格債(ハイイールド債)に落ちるときが最も影響が大きい。投資家の大半は投信のガイドライン上、非投資適格債に落ちると売却せざるを得ない。業者はビッドを急激に下げるか、提示しなくなる。
(5)格付けの変更に対して価格変動は非対称的。価格は下方弾力、上方硬直という動きになる。格下げというリスクにはきわめて敏感に反応。
(6)格付け会社の収入源は、依頼者である発行者、もしくは仕組み債の組成者から。このスキームは利害関係の観点からは好ましくない。。依頼者は費用を払って少しでも良い格付けを得たいし、格付け会社は競走上積極的にし仕組み債の価格付け方法(優良格付けの取り方)を開示することによって、自社の利用を促したい。このビジネスは重要な収益源となった。
(7)このCDOの格付けに際しての前提条件となる重要なパラメータは、予想デフォルト率、相関係数、回収率など。過去の延長線上で計算していたものを、新たな状況を考慮して再計算すれば、当然大幅な格下げとならざるを得ない。

2010年12月20日月曜日

ヘッジファンドの運用評価尺度



シャープレシオとは
「リスクに見合ったリターンの度合い」を示す。無リスク資産に対する平均超過リターンを超過リターンの標準偏差で割ったもの。背景には当然CAPMの概念がある。つまり手元資産がゼロで無リスク金利で借り入れをしてリスク資産に投資した場合のリターンを考えている。ICSの本多先生が授業でインフォメーション・レシオと比較しながら、インフォメーション・レシオには背景となる理論がないのに対し、シャープ・レシオはそれを支える理論があるが、しばしば理解されないで使われているということを述べられていた。

シャープレシオ適用に対する問題定義
シャープレシオは簡単できわめて理にかなった尺度であるため、伝統的な資産運用やヘッジファンド運用の世界で広く使われている。しかし厳密にはシャープレシオが適用可能なのは「リターンの分布が正規分布であること」が用件。この欠点に対して様々な新しい評価尺度が提案されている。
●目標リターンを下回る部分のみに注目したリスク尺度LPMを用いた評価尺度
オメガ(1次)、ソルティノ・レシオ、アップサイド・ポテンシャル・レシオ(2次)、3次のカッパ。
●最悪(Drawdown)なリターンの状況に注目したリスク評価尺度
カルマー・レシオ(最悪)、スターリング・レシオ(平均)、ブルケ・レシオ(標準偏差)
●ある確率p%で発生するリターンの状況のなかで最悪なリターンを示すVaRに注目したリスク評価尺度
超過リターン対VaR、コンディショナル・シャープレシオ、修正シャープレシオ

Eling(2008)の実証結果によると、ヘッジファンドのリターンは、正規分布を仮定したシャープレシオを用いても、正規分布を仮定できないという考えのもとにその他の評価尺度を用いたとしても、結果として得られる各ヘッジファンドのパフォーマンス順位付けには大きな差が見られない。

一方、ロー(2002)はヘッジファンドのリターンは自己相関を持っている場合が多く、月次のリスクを単純に年率換算すると実際のリスクより小さな値になってしまうことを実証・指摘した。

う~ん、この本(高橋、浅岡2010)は今まで読んだヘッジファンドの中で最も良い。分析が深く、最新の論文もサーベイしてある。ついでにロー教授から直接、ただでもらった「HEDGEFUNDS」(2008)も読みたくなった。

ヘッジファンドに対する投資家の志向の変化
(1)流動性の重視、(2)透明性の向上、(3)レバレッジ比率の低下、(4)複雑なものから、より単純なのものへ、(5)報酬の低下

Linehill Golf Club

Linehill Golf Club。in=62, out=67, total=129 。フェアウェイもグリーンもバンカーも池も凍っていた。「下半身のタメがない」とキャディさんにダメだしされる(笑)。一度、きちんと自分のスイングをチェックしないと120の壁は超えられないな。

2010年12月15日水曜日

ボラティリティサーフェスの方法論、史上最大のボロ儲け

ブルームバーグのセミナー「ボラティリティサーフェスの方法論」に行ってきた。竹でできたボールペンをくれた。講師はアルーン・ヴァーマでコーネルの応用数学のPhDだそうだ。この辺りは不勉強。バンナ=ボルガとか、初めて聞いた。勉強しないといけないことが多いな。

資料を見るとVolgaがボラの2次偏導関数、Vannaが原資産とボラの2次の偏導関数ですね。
【初耳】ローカルボラティリティ、ストキャスティクスローカルボラティリティ(SVは知っている)、クロスカレンシーインプライドボラティリティ、ブレークイーブンボラティリティ、ジョイントヘストンモデル、コンシスタントインプライド配当と非アメリカン化スキーム。う~ん、なんのこっちゃ???
データがまばらな場合のボラティリティサーフェス。①カルマンフィルタ、②PCA、③ファクターの擬似逆行列、④可能性とフィッティングの最大化。カリブレーションに利用できるオプションがあまりにも少ない場合はヘストンフィットは信用できない、そうだ。
ブルームバーグのボラ関連機能。OMON FXFM FFIP(FFターゲットレートの予想確率) FXDV OVDV(92 で3Dサーフェスグラフ) VOLC(リスク中立ドリフトを差し引く方法で計算) XODF HVG HVT


oazoの丸善で「ヘッジファンド投資ガイドブック」を買う。ふと見るとポールソンが表紙の本が。「The Greatest Trade Ever」の翻訳、「史上最大のボロ儲け」が出ていた。もう少しましな邦題を思いつかないものかね。
「史上最大のボロ儲け」と「世紀の空売り」は、サブプライム・モーゲージの崩壊に賭けた投資家の話で、ほぼ同じテーマですが、前者が有名人のポールソン中心なのに対して後者は比較的無名の投資家中心です。どちらもおもしろい。

2010年12月11日土曜日

ダウンサイドリスクモデル

証券アナリスト協会 検定会員の特権として証券アナリストジャーナルの過去の論文を無料でダウンロードできるので、ダウンサイドリスク関連の論文・サーベイをDLして読む。「ダウンサイドリスクモデル再考~年金基金の基本ポートフォリオ策定への応用~」(竹原2008)。30年以上前に提案された代表的ダウンサイドリスク尺度である、下方部分積率(Lower Partial Moments, LPM)の持つ意味を再考。

年金の基本ポートフォリオは、平均分散モデルをベースとして策定され、モンテカルロ・シミュレーションにより、その妥当性が検証されることが一般的だが、サブプライム危機以降、十分に機能しなくなっているのではないか。
シンクタンクやコンサルの美しいプレゼン資料では、オルタナティブ資産をユニバースに追加すると効率的フロンティアの上方シフトが起こることが示されるが、それは「本当か?」。「リスク=標準偏差」とは限らないのではないか。市場が低迷した今こそ、私達は「リスクとは何か?」について再考すべきではないか。
「何のための資産運用なのか」、「何に使うのか」が明らかとなって、相対的に決まるのが、本当のリスク尺度であって、リスク尺度は人によって違う。
例えば、プットを使ってダウンサイドリスクをヘッジしたポートフォリオのリターンは正規分布と異なるため、それを平均分散モデルにより評価することはできない。対数型、ベキ型を含むHARA族の効用関数を非線形計画問題に帰着させ、最大化させる。
数理計画法の研究者の視点からすると、対数型、ベキ型効用関数におけるリスク認識が数理計画における内点罰金関数に対応するのに対して、LPMというリスク尺度は外点罰金関数に対応する。例えば、年金における積み立て不足を絶対に許さないのが、対数型、ベキ型効用関数で、積み立て不足を極度に好ましくないと思うのがLPM。
リスク尺度とは「投資家の持っている制約条件と相対的なもの」。
1994年ごろ、日本株の暴落で積立金不足に陥った年金基金が、一斉に年金債務を考慮した資産運用を訴え始め、信託銀行の企業年金部署が年金ALMモデルの開発を急いだが、当時の主流は「成熟度分析」と呼ばれる効率的フロンティア上での3~5種類のモデルポートフォリオの提示にすぎなかった。これは平均分散モデルをベースとした「付け焼刃」にすぎない。
現在のオルタナティブ投資の検討は、再び同じことが繰り返されているのではないかと危惧している。それは抜本的な議論の先送りになりかねないし、それを提案する運用機関やコンサルのすべてが、リスクの本質を正しく理解しているかも疑問。
代表的ダウンサイドリスク尺度としてのLPMの理論面に関してはBawa(1975)、Bawa and Lindenberg(1977)を、アセットアロケーションへの応用についてはHarlow(1991)を参照。
次数k=1の場合、LPMとCVaRは似ているが、筆者はLPMとVaR、CVaRとは明確に区別すべきだと主張。VaRは5%、1%といった有意水準を設定して計算されるのに対して、LPMは最小許容収益率τ(タウ)を設定しなければならない。τは基金の制度内容、年金債務現在価値、マクロ経済予測を考慮して決定されなければならない。
LPMはポートフォリオ収益率の正規性を前提としないという点で標準偏差より理論的に優れたリスク尺度であり、τを決めるために問題を先送りさせないという点で、基金のガバナンス向上を促す。
実際にLPMを測定し、LPM最小化ポートフォリオを構築する場合にはヒストリカル法、あるいはシミュレーション法によることがほとんど。目標収益率τは定数である必要はなく、インフレ率、ベンチマークリターン、積立比率等を反映して時間変化するものとすることができる。
ショートフォールに対するペナルティ次数kについては、分散との類似性、オプティマイザが2次計画問題に対するソルバーで実現可能という実装上の要請から多くの場合k=2とされる。したがってこのリスク尺度に魂を込めるのは、時間変化を許容したτの設定方法。
目標収益率τを設定できることが、受託者としての資質の1つ。コンサルにおいても、クライアント基金の状況を分析して、τの提示がなされるべき。
フィーを取って年金ALMというサービスを提供するのであれば、基金の現状分析、τの設定、ダウンサイドリスク分析レポートまでは、プロとしてなすべき仕事の範疇ではないか。
τとしてどのホライズンでのリターンを考えるか、ヒストリカルデータの利用可能性、シミュレーション方法など解決すべき技術的問題は多い。
オプティマイザの目的関数は、単純にダウンサイドリスクの最小化のみでよい。どこまでリスクを許容できるか、どの程度のリターンが必要かは、すべてリスク尺度に内包されている。効率的フロンティアを描いて、フロンティア上の1点を選択する必要はない。最小ダウンサイドリスク・ポートフォリオが最適ポートフォリオなのである。
実際のところダウンサイドリスクをLDIなどの実務に応用するのは容易ではない。ヒストリカルデータは将来のリスクを十分に反映するものとは言えず、オルタナティブ資産はデータの蓄積さえ不十分。既存の平均分散モデルをベースとした方法論にも、時間と費用を抑えるというメリットはあるが、それは変化を放棄することにほかならない。


2010年12月5日日曜日

YOGA for SPORTS

ヨガはいつもは本とビデオを参考にしてやっているのだが、いいDVDはないかとツタヤで探したところこれがあった。基本的な内容を双子らしいモデルが丁寧に実演してくれていてとてもよい。でも絶版みたい。「YOGA for SPORTS」 http://amzn.to/hShSsG

Jaguar XK LCと東芝CELLレグザ

The Nikkei Magazine Styleというのがときどき日曜の日経についてくる。3百万円の時計とか、私とは無縁の世界。でも、今日のは2つほど惹かれるものが出ていた。一つは東芝CELLレグザ。もう1つはジャガーXKラグジュアリー・コンバーチブル。まあ、買えはしないが。

東芝CELLレグザ、凄過ぎ。通常の140倍を超える演算処理速度。3テラのHD。地デジ8チャンネルを同時録画できる!録画は約25時間前から自動更新。
今は廃刊になったが「NAVI」という外車中心の雑誌を若い頃によく読んでいた。いつかフェラーリやポルシェを買うことが仕事のモチベーションだった。いつしか車への興味は薄れていった。今は、いつか自分のHFを作ることが支え。ジャガーXK LCは1300万円か。ポンと買えるようになりたい。

2010年12月4日土曜日

立てよ!日本のフィナンシャル・エンジニアよ! ジーク・クオンツ!!



ファースト・ガンダムの劇場版「ガンダム1・2・3」を見ながら、「ジオン軍の失敗」を読む、至福のとき。画像は、私が好きなシーンのひとつで、ザクが燃え尽きるのを横目に大気圏突入をするガンダム。もっとも私はファースト・ガンダムと「逆襲のシャア」しか見ていないので、それほどコアなガンダムファンではない。

虐げられた宇宙生活者の反乱だったジオンを見ていて、不当に評価が低い日本のクオンツとイメージが重なった。そこでツイッターで「立てよ!日本のフィナンシャル・エンジニアよ! ジーク・クオンツ!!」とつぶやいたところ結構な賛同をいただいた。そのように感じているのは私だけではないのだなと思った。
背景には、日本企業の経営におけるジェネラリストとスペシャリストの扱いや、高度技術を使った開発プロセスをどのように管理するかなど、さまざまな問題がからみあっている。
トップ・マネジメントが必ずしも最先端の技術を完全に理解する必要はないと思っている。会社の方向性を示せればいいという気もする。一方で差別化できる技術がないと結局他社と似たような商品しか出せなくて、マーケティングの些細な戦略など、本質からはずれた議論で終始してしまう。
若い優秀なクオンツや学生さんが正当に評価されるような社会に日本がなるように、微力ながら努力していきたい。
三菱UFJ投信の糸島さんという優秀なファンドマネジャーの方も、昇進していくとファンドマネジメントの本業よりもその他もろもろの雑務の比率が増えてきて、それが嫌で三菱UFJ投信を辞めたという。
日本の資産運用会社はいずれ米欧の資産運用会社と直接競合する。それなのに外国資産の運用を彼らに外部委託するなんて、ありえないでしょう!。敵に塩を送っている。何で自分達で運用しようとしないの。日本の資産運用会社で生き残れるところはあるの?グループ会社に商品売ってもらって生き延びる?

2010年12月2日木曜日

応用一般均衡モデル

野村證券の川﨑研一エコノミストの話を聞く機会があった。随分前に「応用一般均衡モデルの基礎と応用」を読んだ事があったので感慨深い。GTAPと呼ばれるモデルを使っている。TPP、FTAなどの話、官僚、政治家の話などを聞く。川崎さんは経済企画庁を辞めた後、リーマンを経て野村。今でもボランティアでGTAPを使って政府のためにシミュレーションをしたりするそうだ。小野善康さんの話なども伺う。