2013年2月10日日曜日

「瞑想のすすめ」永井均


日経文化面、「瞑想のすすめ」永井均。座禅とそっくりだが中身は違うヴィパッサナー瞑想。座禅の格好で座り呼吸に意識を集中。浮かんでくる想念をいちいち気づいて明らかに見る。客観的視点で想念を一つの出来事として見る。悩みや苦悩が生まれる瞬間に単なる出来事として見れれば苦悩から逃れられる。
「心の状態には『志向性』と呼ばれる働きがあって、これが働くと思ったことは客観的世界に届いてしまう。世界の客観的事実として『あの野郎』が何か酷いことをしたことになってしまうわけである。すると、作られたその『事実』に基づいて二次的感情も湧き起こり、さらに行動に移されもする」
「志向性は言語の働きなのだが、言語を持つわれわれは、黙っているときでも頭の中で言葉を喋り続け、想念を流し続けている。ヴィパッサナー瞑想の標的はまさにこれなのである」
「そうした想念の存在が気づかれ、客観的観点から明らかに見られると、想念のもつ志向性は奪われ、それが連鎖的に膨らんでいくことも、それに基づいた二次的な感情が起こって行動に移されることも、止められる」
「志向性が遮断されれば、心の状態は心の中で現に起こっている単なる出来事として、ただそれだけのものとなるからだ」
ツイッターも、頭の中で喋り続けている言葉、流し続けている想念を客観的観点から明らかに見られる、便利なツールですね。常に自分を客観的に見ようとするのは大事だと思いますよ。私も通勤中の電車やエスカレーターに並んでいて割り込まれたら、一瞬「この野郎、ぶん殴ってやろうか」という想念が流れますが、そう思っている自分を客観的にみることで怒りを消しています。