2011年6月30日木曜日

久しぶりに本をまとめ買い

今月は、私には珍しくよく働いたので残業代が上限に近づいたらしい。ということで、今日は残業しないで早めに退社し、久しぶりにoazoの丸善という本屋に行った。ボーナスも出たことだし、前から欲しかった本をまとめ買いした。ホリエモンが収監されて、あの事件はなんだったのか復習しておきたくなった。

「億を稼ぐトレーダーたち」はシステムトレーダー土屋さんお薦めですね。「高校生からのゲーム理論」は一度、ちゃんとゲーム理論を入門しておきたかったから。

次は完全に仕事からみ。

丸善でSpringerの本を安売りしていたので、買っておいた。Amazonで11000円くらいのものを8000円前後で売っていた。前から欲しかった本なのでうれしい。
Liptser&Shiryaev "Statistics of Random Processes1"はフィルター理論に必要となる統計・数学がまとめてあるらしい。Fleming&Soner "Controlled Markov Processes and Viscosity Solutions"は師匠に薦められて興味を持っていた本。

2011年6月27日月曜日

ETFとアメリカ証券法

最近、本当に忙しくて、ブログもろくに更新できない。そのわりにツイッターはよくやっているな、という声が聞こえてきそうだが、あれは忙しいときの現実逃避なので。
ちょっと事情があって、ETFとアメリカ証券法について調べてみたのだが、いくつか新しい発見があった。アメリカの主な証券法は次の3つ。
1933年証券法(Securities Act of 1933)
1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)
1940年投資会社法(Investment Company Act of 1940)
違いは、1933年法は、州境を超えて一般投資家に売り出される証券を規制するものであるのに対して、1934年法は証券取引所で取引される証券を規制。1933年法で規制されるのは、証券のライフサイクルの一番始めだけだが、1934年法は証券取引所に上場する限り規制を受けることになる。
1940年投資会社法は、アメリカ合衆国のミューチュアル・ファンド(日本の投資信託に相当)を規制する法律。
1934年法の下で登録された会社のvoting classの5%超を買った場合、10日以内にSECに報告する必要があるが、ETFに関してはSECのno action letterを根拠に、報告する必要はないと考えられている。

ETFについて、次のレポートを読んでいくつか分かったことがある。


一括りにETFと呼ばれることが多いが、Legal StructureとしてはETF、ETV、ETN、Certificateがある。最初の3つの3番目の単語はそれぞれ、Fund、Vehicle、Noteの頭文字。
最初にできたETFは1993年、S&P500に連動するSPDRs。これは1940年投資会社法で登録されているunit investment trustで、インデックスの複製法は完全法である。
次に出てきたのがiSharesなどで、これらも1940年投資会社法で登録されているopen end fundである。インデックスの複製法は最適化も可能となっている。1940年投資会社法で登録された場合、分散投資しないといけないとか、ETFが一銘柄に投資できる比率の上限が25%などという制限があったようだ。そのため、ATTの比率が25%よりもかなり高かったテレコム指数に連動するETFはATTを25%しか投資できないという制約のために、トラッイングエラーが異常に大きくなるという問題が発生してしまったらしい。
コモディティに連動するETFは、そもそも金など単一の銘柄のインデックスに連動させる必要があり、1940年投資会社法では組成できないことから、1933年証券法のもとで登録されており、1940年法でいう投資会社ではない。たとえば、SPDR Gold Shares やiShares Silver Trustなどは1933年法で登録されたGrantor Trustであり、U.S. Oil FundやU.S. Natural Gas FundなどはPartnershipである。
これらのほかにETNというのがある。iPathなどが有名だが、これらは基本的に社債(仕組み債)であり、指数との連動性はよいが、発行体の信用リスクがある。



2011年6月5日日曜日

トレンドフォロー戦略




最近、忙しくてブログの更新ができていない。それなのにいつも見に来てくださる皆様、ありがとうございます。

トレンドフォロー戦略について調べていたら、その名もtrendfollowing.comというウェブサイトを見つけた。
「ファンダメンタルズは死んだ。バイ・アンド・ホールドは死んだ。インデックス投資は死んだ。
優れたリターンのための解決策は100%システマティックな戦術だ」と主張している。
私はここが売っているDVDを見たことはないし、お薦めしているわけではない。正直、20万円は高いと思うので、買う人は自己責任でお願いします。
私が興味を持ったのは下のほうに出ていた「偉大なトレンド・フォローイングのトレーダー達」の欄。
松坂のいるボストン・レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリーと並んでブルース・コフナー、マイケル・マーカス、エド・スィコータもトレンド・フォロワーとして紹介してある。この三人はシュワッガーの「マーケットの魔術師」に出ていたので、前からトレード・スタイルが気になっていた。タートルズのリチャード・デニス、ウィリアム・エックハートもトレンドフォロワーだと思う。リチャード・デニスも「マーケットの魔術師」に出ている。ウィリアム・エックハートは「新マーケットの魔術師」に出ている。また「マーケットの魔術師・システムトレーダー編」に出ているビル・ダンもトレンドフォロワーとして紹介してある。
トレンド・フォローイングは投資戦略としてはかなり堅実性が高いと思われる。特にコモディティ市場とトレンドフォロー戦略は相性がいいと思われる。CTAはほとんどがトレンドフォロー戦略だと思う。では、なんでトレンドフォロー戦略は堅実性が高いのかのつらつら調べていると、システムトレーダーのツチヤさんが既にブログにきれいにまとめられていて、それを読んだらモヤモヤしていたものがスッキリした。さすが、ツチヤさんですね。
「トレンドフォローというゲームは、個別銘柄のトレンド発生についてポジションを建てそれに乗るゲームというよりも、よりトレンドフォローに適した銘柄/アセットに適切に資金を移動させるというアセット・アロケーションの巧拙を競うゲームなのである。 ここにおいて、超過リターンの源泉というか工夫し甲斐があるのは後者であり、従って前者のトレンド発生のシグナルそのものはあまり改良に執着しなくてもよいことも多いことになる。」
「現に、タートルズが使っていたトレンドフォロー戦略のアルゴリズムは現在のマーケットではもはや以前のようには機能しない。 市場は昔ほど単純ではなくなったからである。 これは私がエックハート本人から直接聞いたことである。 エックハート自身が使っているトレンドフォロー戦略もいまは全く違うものだ。」
ツチヤさんはエックハートと直接お話されたことがあるのですね。