1990年のノーベル経済学賞をシャープ、ミラーとともに受賞したマーコウィッツの1952年の論文も無料で読めますね。 "Portfolio Selection" Harry Markowitz[1952]
Sharpeの1964年の有名なCAPMの論文、今は無料で読めます。PDFというボタンを押せばダウンロードできます。 ”CAPITAL ASSET PRICES: A THEORY OF MARKET EQUILIBRIUM UNDER CONDITIONS OF RISK”
マーコウィッツ[1952]の平均分散法とシャープ[1964]、Lintner[1965]のCAPMがファイナンスのポートフォリオ理論の先駆けですね。CAPMは均衡理論。CAPMは様々な強い制約の下、均衡状態で成立する。均衡なら無裁定だが、逆は言えない。ファイナンスのアカデミックな世界では「CAPM、おまえはもう死んでいる(CAPM is dead.)」と言われるわけですが。
ブラックのゼロ・ベータ・ポートフォリオの論文。
"Capital Market Equilibrium with Restricted Borrowing" Fischer Black[1972]
マートンの多期間CAPM "An Intertemporal Capital Asset Pricing Model" [1973]
ファイナンスにおける金字塔。ブラック=ショールズによるオプションのプライシング。 "The Pricing of Options and Corporate Liabilities" Fischer Black and Myron Scholes[1973]
伊藤の補題がおそらく初めてファイナンスの論文で使われたマートンの重要な論文。
"Theory of Rational Option Pricing" Robert C. Merton[1973]
しかし、ICAPMとオプションのプライシングという二つの重要な論文を1973年に同時に発表するとは、やはりマートンはとてつもない天才ですねえ。
CAPMに代わるものとして提案されたロスの裁定価格理論。複数のリスク・ファクターを考えることができるためCAPMよりも一般的。マーケット・ポートフォリオの特定も不要。
"The Arbitrage Theory of Capital Asset Pricing" STEPHEN A. ROSS [1976]
実務界にも大きな影響を与えた、ファーマ=フレンチの3ファクター・モデル。
"Common risk factors in the returns on stocks and bonds" Eugene F. Fama and Kenneth R. French [1993]
このあたりの証券投資理論の歴史についての読み物としては『証券投資の思想革命』がお勧めです。残念ながら絶版ですが、地元の図書館にあると思うので借りて読みましょう。
『証券投資の思想革命―ウォール街を変えたノーベル賞経済学者たち』 ピーター・L. バーンスタイン
英語が苦にならなければ、これもお勧めです。資産運用の歴史を概観するのによい読み物です。書いたのはブラックロックのKahn。
"The Future of Investment Management" Ronald Kahn[2018]