2010年6月27日日曜日

Vasicekモデルの期間構造、微分方程式

Vasicekモデルの期間構造

2010年6月26日土曜日

HANABI Mr.Children

さよならが迎えに来ることを
最初からわかっていたとしたって
 もう一回 もう一回
 もう一回 もう一回
何度でも君に逢いたい
めぐり逢えたことでこんなに
世界が美しく見えるなんて
想像さえもしていない 単純だって笑うかい?
君に心からありがとうを言うよ

逢いたくなったときの分まで
寂しくなったときの分まで
 もう一回 もう一回
 もう一回 もう一回
君を強く焼き付けたい
誰も皆 問題を抱えている
だけど素敵な明日を願っている
臆病風に吹かれて 波風がたった世界を
どれだけ愛することができるだろう?
 もう一回 もう一回
 もう一回 もう一回

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切ない、いい歌だな。「波風がたった世界を」のところでFm7, F7/A, B♭m7というコード進行になる。最初のサビの「もう一回 もう一回」のときはF7/Aが入らない。このF7/Aのセブンスの響きが悲しく切なくわれわれの心を揺さぶる。ビートルズもよく使ったテクニックだ。桜井はこの使い方がうまい。天性のものなんだろう。
人生はうまくいかないことばかりだ。でも、いい音楽や小説はわれわれの心をなぐさめ、勇気づけてくれる。

2010年6月22日火曜日

シェーンブッハー 『クレジット・デリバティブ』


 良い本だと思う。タイトルはデリバティブとなっているが、クレジット・リスク・モデル全体について 体系的にきれいにまとめられている。ダフィー&シングルトンが昔のペーパーを集めてまとめ直した雰囲気があるのに対して、こちらは本としてきちんと整理されている印象。
 いつものように、細部にはこだわらないで全体をサラッと眺めたあと、詳しく読み始める。3章が『クレジット・スプレッドと債券価格に基づく評価』で”リスク・ニュートラル確率”、”インプライ生存確率”、”条件付き生存確率”、”インプライド・ハザード・レート”などの重要な概念が定義されて、”回収率のモデル化”、”基礎単位による評価”などが説明される。続く4章が『数学の準備』。「点過程やジャンプ過程の確率解析の議論は形式主義的なので、初心者にはとっつきにくいものかもしれない」というとおり、とっつきにくい。とっつきにくさの一因は英語の用語に対する日本語訳が本によって微妙に異なるために混乱するせいだと思う。数学、特に確率論を専門にやってきた人なら、数式ですっきり理解できるんだろうけど。日本語の意味が分かりにくいときは英語で読んだほうが意味を掴みやすいときがある。

default indicator function デフォルト特性関数
counting process 計数過程
predictable compensator 可予測な補正過程
marked point process マーク付き点過程

4.4の強度あたりから、日本語だけではイメージできなくなってくる。”補正過程は計数過程における局所ジャンプ確率の移動強度になっている。”、”ジャンプ強度”、”ジャンプ測度”、”補正測度”、”ランダム測度”。

”いくつかの正則条件のもとで、到達強度は次の時点の(条件付き)ハザード・レートと一致するから、強度は停止時刻の局所的到達率である。同時に、強度はデフォルト特性関数の補正過程を定義しており、モデルの変数の(確率だけではなく)変動を表現する重要な道具である。それゆえに、デフォルト時刻の強度は多くのデフォルト・リスク・モデルの核になっている。”
”基本的に、計数過程には2つのあい異なる捉え方がある。1つは確率過程と(強度を含む)可予測補正過程の見地からの捉え方であり、もう1つは(ハザード・レートを含む)次のジャンプ発生時刻の分布を分析する手法という捉え方である。”
”本書が取り扱う範囲では強度と条件付局所ハザード・レートは常に一致する。”

シェーンブッハーだけだとモヤモヤなので、中川先生のFRMの授業のレジュメを見て理解する。このクラスの資料は大変素晴らしい。今読んでやっとその価値が理解できる(笑)。

2010年6月14日月曜日

はやぶさ、アポロ13、ガンダム




『はやぶさ』の大気圏突入の映像は美しかった。カタルシスを感じる。本体が花火のように燃え尽きる中、無事に切り離されたカプセルが下降していく。ガンダムで俺が一番好きなシーンである、「ザクが燃え尽きる中でアムロがマニュアルを見ながらガンダムを大気圏突入させるシーン」を思い出してしまった(笑)。
『はやぶさ』で一番すごいと思うのは、4台のイオンエンジンの最後のひとつも故障して動かなくなったとき、壊れたエンジンの機能する部品を巧みに組み合わせて1台を復活させていることである。どうやってそんなことが可能になるのだろう。すごい技術だ。そして「最後まで諦めないという不屈の精神」を感じる。
そんなエピソードから映画の『アポロ13』を思い出した。これも宇宙物の実話だが、「最後まで諦めないという不屈の精神」が描かれている。大変お奨めの映画です。
人生には運、不運もあるし、くじけそうになるときもある。でも、「最後まで諦めない」で立ち向かう姿勢が大事だと思う。


2010年6月13日日曜日

佐山杯@総成CC、ドライバーは開眼していなかった

ゴルフコース3回目は成田の総成カントリー倶楽部。今までの倍の値段だけにコースは素晴らしい。初めてキャディさんが付く。カートはない。ゴルフを始めて2ヶ月の人間にはもったいない(笑)。
ドライバーはまったく開眼していなかったな。ちゃんとボールに当たらない。キャディさんのアドバイスでピンの高さをいろいろ試してみたが・・・。今回のキャディさんは親切で、「手に力が入りすぎ」、とか「グリーンの近くでは上に上げるより、8番アイアンを使って転がした方がいい」などといろいろ教えていただいた。アイアンはまあまあ。グリーンは今までのコースより格段に難しい。
結局、東コース72、南コース74の146。HDCP57.6でnet88.4。いっしょに回ったSさんとはgross146でいっしょなのにハンディキャップのせいで順位が6位もちがうよ。14人中13位ということでブービー賞となり来年5月の佐山杯の幹事をやることになってしまった。幹事といっても何をどうすればいいのかよく分からないのが、メンバー集め、配車決め、コースの予約などをしないといけないんだろうな。
佐山さんとはこれまで接点がなかったのだが、細かく気遣いされる方だった。偉ぶったところがなく、気さくな雰囲気。喋りのうまさは天性のものを感じさせる。週末は毎週ゴルフをされているそうだ。今回の優勝は佐山先生。
一緒に回ったUさんは、昨年ICSを卒業してから本格的にゴルフをやりこんだそうで、今回98。俺も努力すれば100を切れるくらいになるかな。
とりあえず、坂田信弘の『スウィング進化論』にあるように、ショートスウィングを一日100球、週3日、3ヶ月やることにする。
ゴルフねたが続いたが、これでしばらくはゴルフの話は出なくなるだろう。最近、ブログの閲覧者数が減っていたのだが、このブログを見ている人はゴルフの話は求めていないんだろうなぁ(笑)。

2010年6月8日火曜日

ドライバー開眼! ストロンググリップが全てを救う



実は、二日前のゴルフの惨状がずっと尾を引いていて元気がなかったのだが、内藤雄士の『SWING DRILL35』を読んでいてひらめいた・・・「アハッ!!」。グリップが間違っていたのだ。20ページに「理想的なストロンググリップが簡単につくれる方法」が紹介してある。「これだ!」と思った。
さっそく、川口グリーンゴルフでストロンググリップを試してみる。すっ、すごい。ドライバーがまったく曲がらない!! 気持ちいいほどまっすぐ飛ぶ!! いや~、グリップを修正するだけでこんなに違うんですね。これで土曜日の佐山ゼミコンペも自信をもって臨める。ああ、安心した(笑)。なにせ、二日前はボールにさえ当たらないときもあったからなぁ。

投稿論文は、昨日師匠に相談のメールを送ったところさっそく返事が返ってきた。どうもありがとうございます。師匠のアドバイスのとおりに修正したいと思います。

レフェリーコメント

レフェリー審査が終わり、投稿した論文のレフェリーコメントが返ってきた。レフェリー所見を総合して「問題点を指摘し、問題点が修正されれば採用の可能性が大きいもの」と判定していただいた。レフェリーコメントの指摘事項に応えることを条件に採用したいと存じます、とのこと。
早速、問題点を修正して再投稿しよう。

ちなみにこのジャーナルの審査結果の判定は、次の4区分だそうだ。
①投稿論稿をほぼ原文のまま採用するもの
②問題点を指摘し、問題点が修正されれば採用の可能性が大きいもの
③問題点を指摘し、再投稿を求めるもの
④問題点が多く、不採用とするもの

今回のは②に当たる。ICS入学前に別のテーマで投稿したときは③だったので、1つレベルアップできたわけだ。まあ、正式に採用されるまで、気を抜かないでがんばろう。師匠にも報告しないと・・・。

そういえば、ICSのGMailのアカウントがついに削除されていたな。なにか保存し忘れたメールがあるような気がする。

2010年6月6日日曜日

コース2回目は佐野ゴルフクラブ(栃木)

北関東自動車道の佐野田沼ICが 今年の4月に開通したばかりということで、うちから1時間ほどで到着。朝7時から二つあるコースのうち出流コースのINスタート。綺麗ないいコースでした。
IN67、OUT76で143。今日は、ドライバーも、アイアンも、パットも全てダメだったな。ボールも6個以上無くした。来週が佐山杯なので、この1週間で修正したい。直前の練習で体重移動ができた気がしたのだが、コースにでると全く動きがばらばらになるね。
前が混んでいて、後ろの組に見られながらドライバーを失敗すると、精神的ダメージが大きい。おまけに、走ってすぐ次のを打たないといけないので、よけいにスイングが乱れる悪循環。
1週間で、せめてドライバーがちゃんとボールに当たるようにしたい。


2010年6月5日土曜日

数学の勉強法(特に文系)

文系が数理ファイナンスを勉強する場合、壁となるのが数学ですね。理系の場合はツールとして数学を使うことに慣れているので、数理ファイナンスの習熟も早いです。私の場合は文系で、しかも実務では数学を使わなかったので大変でした。恥ずかしい話、ICSに入るまで合成関数の微分を知りませんでした。今でも数学には苦労しています。私の経験から、こうすれば良かったかも、という話をします。

[とりあえずファイナンス(経済学)に必要な数学を概観する]
『経済数学入門の入門』(田中)
『経済と金融工学の基礎数学』(木島、岩城)
『コア・テキスト 経済数学』(戸瀬)
『はじめよう経済数学』(浅利、山下)
『数理経済学入門』(入谷、久我)
あたりのどれか1冊の全体に目を通す。細部を覚えるよりも、とりあえず全体を眺めてどういう項目が必要かを把握しておくのがいいと思います。続いて各項目ごとに専門的に勉強していきます。簡単な本から始めて徐々にレベルを上げていきます。とにかく自分で問題を考えて解いていくことが大事です。

[微分積分]
大学への数学 『微積分/基礎の極意』・・・(とりあえず理系の学部レベルに追いつくことを目指す)
マセマ・キャンパス・ゼミ 『微分積分』
『穴埋め式 微分積分 らくらくワークブック』(藤田、石村)・・・(計算力をつける。けっこう難しいです)
『経済数学Ⅰ 微分積分概説』(津野)
余力があれば本格的な数学書にレベルアップします。
『解析入門』(ラング)
『解析概論』(高木)
『解析入門Ⅰ』(杉浦)

[確率・統計]
マセマ・キャンパス・ゼミ 『確率統計』
『穴埋め式 確率・統計 らくらくワークブック』(藤田、高岡)
『確率・統計入門』(森、藤田)
『確率と確率過程』(伏見)
『統計学のための数学入門30講』(永田)
本格的に確率論、測度論を勉強したいなら、
『測度と積分』(ツァビンスキ、コップ)
『マルチンゲールによる確率論)(ウィリアムズ)

[線形代数]
『穴埋め式 線形代数 らくらくワークブック』(藤田、石井)
『なっとくする行列・ベクトル』(川久保)
『線形代数』(木村)
『線形代数入門』(斎藤)

[数理ファイナンスの入門]
『ファイナンスの数理入門』(津野)
『なっとくする数理ファイナンス』(森)
『Excelで学ぶ金融市場予測の科学』(保江)
『リスクとデリバティブ』(西村)

これくらいで十分でしょうか。上の本を全部読む必要はないので、自分にあったものを各分野で一冊みっちりやればいいと思います。この後は、ブログに既に書いたルーエンバーガー、プリスカ、シュリーヴ、ダフィーとやっていけばいいと思います。
余裕があれば、数学的な読み物(岩波の「数学が育っていく物語 全6巻」や「オイラーの贈物」(吉田)など)を読めば数学的センスが向上するのではないでしょうか。「数学が育っていく物語 全6巻」は地元の図書館にあって、借りて読みました。なかなか目から鱗でした。数学30講シリーズなんかも、手始めとしてはいいと思います。

2010年6月4日金曜日

J.M. クッツェーの『恥辱』

史上初のブッカー賞の二度受賞、ノーベル賞は伊達ではなかった。うまいね。うますぎる。大学教授がセクハラ(?)をきっかけに躓いていく。三人称だが、実質的には大学教授の目で記述されていく。全体に散りばめられた文学作品からの引用。主人公が作ろうとしているオペラの使われ方もうまい。そしてリアリズムの筆致で南アフリカの混沌とした世界がたんたんと描かれていく。暴力、レイプによる支配。それでも読後感は不思議に爽やかだ。
南アフリカの作家ではあるが、イギリス文学の王道のような作品。
ところで、最近ブログの閲覧回数が急に増えたのだけれど、俺の知らないところで何かあったのかな?

2010年6月3日木曜日

デフォルトのある債券のハイブリッド価格付けモデル


社債のモデルを開発しないといけないので、ネットでクレジット・リスク関連のペーパーを片っ端から読む。ご存知のようにデフォルトの可能性がある債券のモデルには構造型と誘導型があるが、それぞれ一長一短があるので、最近はそれらの長所を組み合わせたハイブリッド型や不完全情報+構造型が出てきている。

"Empirical Evaluation of Hybrid Defaultable Bond Pricing Models" (Schmid, Zagst, Antes 2004)はハイブリッド型の4ファクターモデルで、しかも推定をカルマンフィルタで行っている。4ファクターは、短期金利、マクロ経済、不確実性、信用スプレッド。カルマンフィルタはプログラムがシンプルで計算負荷も少ない。とりあえずこのモデルからとりかかることにする。

期間構造のアフィン・モデルではパラメータを求めるのに微分方程式を解く必要がある。ヴァシシェク型だと通常の微分方程式、CIR型だとリカッチ型の微分方程式を解く必要がある。ということで斉藤の『単位が取れる微分方程式ノート』で微分方程式の解法を確認する。