2009年12月19日土曜日

数理ファイナンスの効率的な勉強法

ファイナンス理論は大きく分けると金融工学系(工学系、OR系)と数理ファイナンス系(数学、確率、統計)に分けられると思います。金融工学系の主な応用分野はポートフォリオ理論、ファクターモデルなど、数理ファイナンス系の主な応用はデリバティブの価格付けということになると思います。

数理ファイナンスは現在苦労して勉強中の身なので偉そうなことはいえませんが、もしも数理ファイナンスの勉強をやりなおせるならこうのようにすべきだったという視点で書きたいと思います。

①本を読む
②論文、ワーキングペーパーを乱読する
③プログラムを書く

自分で勉強する場合、①の本での勉強が中心になると思います。お勧めの本は、後で詳しく紹介します。

②については、私は事情があって一時期、ひたすら米欧の論文・ワーキング・ペーパーを読みまくったことがあったのですが、それが大変役に立ったと思います。とりあえずはファイナンスの巨人、Mertonの論文を集めた「Continuous-Time Finance」という本があるので、その辺りから読み始めればいいと思います。

③実際にプログラムを書いてデータを分析すると、理解が進むと思います。C++が理想ですが、アカデミックではMatlab(Scilab),S-plus(R),Octaveなどが使われます。Rはフリーで様々な関数やサンプルがネット上にあるのでお金がなければRがお勧めです。数値計算の本では「Numerical Recipes」が定番です。

ハルとルーエンバーガーは入門書としては最適だと思います。問題もすべてやれば準備は十分ではないでしょうか。同レベルのお勧めとしてプリスカの「数理ファイナンス入門 離散時間モデル」、連続時間ではビョルクの「数理ファイナンスの基礎―連続時間モデル」があります。デリバティブ寄りの本では「ファイナンスの確率解析入門(藤田)」、「デリバティブ価格理論入門(バクスター、他)」がお勧めです。

次のレベルとして「ファイナンスのための確率解析Ⅱ(シュリーヴ)」、「ファイナンスへの確率解析(ラムベルトン、他)」、「ファイナンスのための計量分析(キャンベル、他)」があります。

最後にダフィーの「資産価格の理論」、「Methods of Mathematical Finance」 (Karatzas, Shreve)で数理ファイナンスは卒業でしょう。

金利モデルでは「Interest Rate Models」(Brigo, Mercurio)が定番です。

確率解析の中心になる伊藤解析はエクセンダールの「確率微分方程式」が定番です。他にも日科技連からでている木島正明の一連の本も良いです。

測度論から確率論を詳しく勉強したいのならウィリアムズの「マルチンゲールによる確率論」、ツァビンスキ他の「測度と積分」あたりが良いようですが私はまだ読んでいません。

最近のファイナンスでは時系列モデルもよく使われるのですが時系列ではハミルトンの「時系列解析」が定番です。

あと、最適化も重要なので「経済学のための最適化入門」(西村)、「凸解析と最適化理論」(田中)などで勉強するといいと思います。

数学の基礎が不十分な人は藤田の「穴埋め式らくらくワークブック」の微分積分、確率・統計、線形代数をやっておくと良いと思います。あと永田「統計学のための数学入門30講」もいい本だと思います。

上記の本のうち、英語が苦にならないならできるだけ最新版の原著を読みましょう。

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