「海外企業の場合は、業績の悪い会社を買ってはいけません。海外企業の場合には、高い高級品を買ったほうが、たとえ買収価格が高くても、悪い会社を買ってとんでもない化け物をつかむよりも、リスクが少ない。安物にだまされるよりいいということです。
(資本参加する企業のサイズが大きくなると買収リスクが高まるのでは?との質問に) いえいえ、必ずしも規模の大きいほうがリスクが大きいということはないのです。人材がいますから、リスクはむしろ小さい。むしろ中途半端な規模の会社のほうがリスクは高いと思います。
人材がいれば、こちらが指導してあげれば、それでやってくれます。規模の小さい会社の再建も大きい会社の再建も、同じだけ時間はかかるし、私の労力はほとんど変わらないのです。それなら、大きい会社を買収したほうがいい。」
巻末の「永守重信語録」からいくつか抜粋
「雇用創出こそ企業の最大の社会貢献である。
仕事が達成できない理由に”人が足りない”からというのが口癖になっている幹部がいる。そういう部門をよく観察すると一番教育ができていないし、工夫も不足している。
チャレンジのないところから決して成功は生まれない。何もしない者より、何かをしようとした者を応援する。そんな社員に拍手を送る会社であり、経営者でありたい。
『ノー』の連発からは何も生まれない。『すぐやる』『必ずやる』『出来るまでやる』という、常に前向きな姿勢をもってこそ、すばらしい成果が待っている。」