2014年7月26日土曜日

初心者がVisual C++で"Hello World"を表示させる方法

初心者にとってはC++の入門用の教科書の簡単なサンプルコードをVisual C++で動かすのも簡単ではないと思います。ここではVisual C++2013で"Hello World"と表示させてみます。

Visual C++はMicrosoftのVisual Studio 2013に含まれています。Visual Studio 2013にはVisual BasicやC#も含まれています。無償版をMicrosoftのウェブサイトからダウンロードしてインストールすることができます。ここではすでにVisual Studio 2013無償版がインストールされているとします。

C++の教科書の簡単なサンプルコードをVisual C++で動かす方法はふたつあります。一つは「空のプロジェクト」を作る方法、もう一つはVisual Studioが用意するコンソール・プリケーションのテンプレートを利用する方法です。

まず、「空のプロジェクト」を作る方法を示します。メニューから「ファイル/新しいプロジェクト」を選びます。
左側のテンプレートで「Visual C++」を選び、「Win32 コンソール アプリケーション」を選びます。下のところでプロジェクトの「名前」や「場所」を適当に決めます。
アプリケーションの設定で「コンソール アプリケーション」を選び、追加のオプションを「空のプロジェクト」として「完了」ボタンを押します。
メニューから「プロジェクト/既存項目の追加」を選びます。
「C++ ファイル(.cpp)」を選び、名前を付けます。ここでは「Hello.cpp」とします。
教科書のサンプルコードを書き込みます。ここでは
サンプルコード
------------------------------------------------------------
 #include  <iostream>
 using namespace std;

 int main() {
   cout << "Hello World" << endl;
 }
------------------------------------------------------------
と打ち込みます。
打ち込んだら、メニューから「デバッグ/デバッグなしで開始」を選びます。
「ビルドしますか?」で「はい」を選びます。
するとコンソール画面にめでたく「Hello World」と表示されます。
以上が一つ目の方法です。二つ目の方法として、コンソール・プリケーションのテンプレートを利用する方法があります。
先ほどのアプリケーションの設定のところで「コンソール アプリケーション」を選び、追加のオプションで「空のプロジェクト」のチェックを外して「完了」ボタンを押します。
するとVisual Studioが空のコンソール・アプリを準備します。

次の二文を「_tmain」の前に加えます。
--------------------------------------------------------------
 #include <iostream>
 using namespace std;
--------------------------------------------------------------
そして「_tmain」の { } の中の「return 0;」の前に次の文を加えます。ちなみに「_tmain」が通常のC++の「main」に該当します。
--------------------------------------------------------------
   cout << "Hello World" << endl;
--------------------------------------------------------------
メニューから「デバッグ/デバッグなしで開始」を選びます。

2014年7月12日土曜日

須田美矢子氏の『リスクとの闘いー日銀政策委員会の10年を振り返る』は必読

日銀の政策委員会の審議委員を10年間務めた経済学者の須田美矢子氏の『リスクとの闘いー日銀政策委員会の10年を振り返る』は、著者の意見が驚くほど率直に散りばめられた第一級の資料に仕上がっている。

どれほど率直かは、たとえば「はじめに」のなかの以下の文章を読むだけでも感じられるだろう。

「このように金融・経済情勢がめまぐるしく変化する中で、計量的に算出した過去の平均的な姿を単純に先行きに当てはめて予測をしても、それが実際に役立つとは限らない。また、理論でしばしば仮定するように、人々の先行き予想は定常均衡に向かって収束していくという単純化は現実的ではなかった。人によって予想は異なるし、様々なニュースに反応して大きく振れることもあって、それを簡単にコントロールできるものではなかった。さらに、政策を行う上で非常に大事な信認の維持は、既存の理論で簡単に取り扱える問題ではなかった。市場動向、日々出てくる指数や先行きを示すサーベイデータや内外の政策変更をチェックし、金融市場や経済・物価情勢に関する足許の変化から、先行きに対するインプリケーションを的確に読み取り、リアルタイムでそれらを金融政策運営で活かしていく―こうした実務は、言葉でいうほど簡単ではなかった。それにもかかわらず、内外を問わず著名な学者が望ましい政策論を断定的に展開しているのを見聞きすると、なぜそのようなことが簡単にいえるのかというのが率直な感想であった。それに加えて、その取り上げられ方に、もっと大きな問題を感じていた。」

この本がカバーしている範囲も著者が関わった日銀法改正から政策委員会、量的緩和、質的緩和、インフレーション・ターゲティング、コミュニケーション・ポリシー、マクロ・プルーデンスの視点など多岐にわたっており、しかもそれぞれのテーマについて著者の忌憚のない意見が述べられている。

日銀の金融政策に興味のある人は必読だろう。