2017年3月2日木曜日

「原因と結果」の経済学

『「原因と結果」の経済学』、因果推論の「入門の入門」ととらえれば良い本なのではないですかね。これをきっかけに本格的な計量経済学の本に進んでいけばいいですね。

「日常生活の中でも、因果関係と相関関係の違いを理解し、「本当に因果関係があるか」を考えるトレーニングをしておけば、思い込みや根拠のない通説にとらわれることなく、正しい判断ができるだろう」

2つの変数の関係が因果関係なのか、相関関係なのかを確認するために、次の3つを疑う。

①「まったくの偶然」ではないか
②「第3の変数」は存在していないか
③「逆の因果関係」は存在していないか

特に「第3の変数の存在」は常に疑うべきですね。

因果推論については、本の中ではランダム化比較試験、自然実験、差の差分析、操作変数法、回帰不連続デザイン、マッチング法、回帰分析が紹介されていて、そういった手法の限界についてもきちんと説明されていますね。

まったくの偶然による見せかけの相関の例として「ジブリの呪い」が紹介してある。日本のテレビでジブリの映画が放映されると、アメリカの株価が下がるという法則(?)。「ジブリの呪い」は投資家クラスタ内の内輪の話かと思っていたので、ちょっと驚いた。ウォールストリートジャーナルも取り上げたことがあるらしい。

本の中で参照されている論文もそれぞれ興味深いので、原論文を読めば一粒で二度おいしい。

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