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2022年6月8日水曜日

金融庁「資産運用業高度化プログレスレポート2022」で紹介されていたMITのESG論文

 金融庁の「資産運用業高度化プログレスレポート2022」が公表されました。

資産運用業高度化プログレスレポート2022

資産運用業高度化プログレスレポート2022(概略版)

ESGに関するページが多くて、金融庁のESGへの関心の高さがうかがえます。

そのなかでMITのAggregate Confusion Project が紹介されていました。

そこにはESGのレーティングがバラバラであることの問題点を分析した3つの論文が紹介されています。

1. Aggregate Confusion: The Divergence of ESG Ratings

2. Is History Repeating Itself? The (Un)Predictable Past of ESG Ratings

3. ESG Confusion and Stock Returns: Tackling the Problem of Noise

ESGの現状についてよく把握できる本として『ESGの奔流』をお勧めします。




2019年11月21日木曜日

ファイナンスの重要な論文を振り返る

最近はファイナンス(証券投資論)の重要な論文がネットで読めるようになっていて、良い時代になったなあと実感します。過去の論文を調べたついでに、ここに忘備録としてまとめておきます。論文のタイトルにリンクが張ってあります。

1990年のノーベル経済学賞をシャープ、ミラーとともに受賞したマーコウィッツの1952年の論文も無料で読めますね。 "Portfolio Selection" Harry Markowitz[1952]

Sharpeの1964年の有名なCAPMの論文、今は無料で読めます。PDFというボタンを押せばダウンロードできます。 ”CAPITAL ASSET PRICES: A THEORY OF MARKET EQUILIBRIUM UNDER CONDITIONS OF RISK”

マーコウィッツ[1952]の平均分散法とシャープ[1964]、Lintner[1965]のCAPMがファイナンスのポートフォリオ理論の先駆けですね。CAPMは均衡理論。CAPMは様々な強い制約の下、均衡状態で成立する。均衡なら無裁定だが、逆は言えない。ファイナンスのアカデミックな世界では「CAPM、おまえはもう死んでいる(CAPM is dead.)」と言われるわけですが。

ブラックのゼロ・ベータ・ポートフォリオの論文。
"Capital Market Equilibrium with Restricted Borrowing" Fischer Black[1972]

マートンの多期間CAPM "An Intertemporal Capital Asset Pricing Model"  [1973]

ファイナンスにおける金字塔。ブラック=ショールズによるオプションのプライシング。 "The Pricing of Options and Corporate Liabilities" Fischer Black and Myron Scholes[1973]

伊藤の補題がおそらく初めてファイナンスの論文で使われたマートンの重要な論文。
"Theory of Rational Option Pricing" Robert C. Merton[1973]

しかし、ICAPMとオプションのプライシングという二つの重要な論文を1973年に同時に発表するとは、やはりマートンはとてつもない天才ですねえ。

CAPMに代わるものとして提案されたロスの裁定価格理論。複数のリスク・ファクターを考えることができるためCAPMよりも一般的。マーケット・ポートフォリオの特定も不要。 "The Arbitrage Theory of Capital Asset Pricing" STEPHEN A. ROSS [1976]

実務界にも大きな影響を与えた、ファーマ=フレンチの3ファクター・モデル。 "Common risk factors in the returns on stocks and bonds" Eugene F. Fama and Kenneth R. French [1993]

このあたりの証券投資理論の歴史についての読み物としては『証券投資の思想革命』がお勧めです。残念ながら絶版ですが、地元の図書館にあると思うので借りて読みましょう。 『証券投資の思想革命―ウォール街を変えたノーベル賞経済学者たち』 ピーター・L. バーンスタイン

英語が苦にならなければ、これもお勧めです。資産運用の歴史を概観するのによい読み物です。書いたのはブラックロックのKahn。

2017年7月16日日曜日

Rでクラスター分析

まず、Excelで各ファンドのリターン系列を作成し、テキストファイル(.txt)で保存。今回は一行目にファンド名のヘッダー。二行目以降にリターンの時系列を列(縦)方向。
 以下のRのコマンド。
> x=read.table("D:data2.txt",header=T,sep="\t")
> z=hclust(dist(t(x)))
> plot(z)

x=read.table("D:data2.txt",header=T,sep="\t") でテキストファイルの読み込み
z=hclust(dist(t(x))) でクラスター分析。t()で列データを転置。
plot(z)で図をプロット

2016年11月3日木曜日

『資産運用の本質』 アンドリュー・アング

久しぶりにファイナンスで高価な本を購入。今月の証券アナリストジャーナルで紹介されるまで、この本のことは知らなかった。

「悪環境期の損失に対する見返りとしてのプレミアムをもたらすファクター投資が重要」という視点から資産運用の全体像を概観している。

序文がいきなり「投資において最も重要な言葉は「bad times(悪環境期)」である」と始まっていて、ああこの人は分かっているなと感じさせる。

「単に資産クラスのみに焦点を当てるという制約のあるアプローチ(通常は、平均・分散最適化を用いる)は、あまりにも粗っぽく、資産クラスがなぜリターンを生むのかという経済原理を見過ごしており、そして最終的には、問題が多すぎてあまり投資家の役に立たないことが分かった。そこでその代わりに著者が焦点を当てているのが「ファクター・リスク」である。それは資産クラスをまたがる困難な局面の組合せであり、我々が市場の混乱を切り抜けてそれがもたらす報酬を得ようとするならば、留意の中心に置かれるべきものである。
(中略)
ミューチュアル・ファンド、ヘッジファンド、プライベート・エクイティのほとんどについて、ファンド・マネージャーは専門能力を有してはいるが、平均的にはアセット・オーナーにほとんど利益をもたらさず、それがファイナンス理論に則った結論であることを明らかにする。ヘッジファンドとプライベート・エクイティは資産クラスではない。すなわち、いずれも、よく知られているファクター・リスクの単なる集合体であり、それが不透明な契約によって覆い隠されているにすぎない。ヘッジファンドは特にボラティリティ・リスクに晒されたものであり、またプライベート・エクイティはその大部分がレバレッジの掛かった上場株式といえる」

本書の主要テーマは次の三つ。
・アセット・オーナーは自身の悪環境期を認識する必要がある
・ファクターは、悪環境期の損失に対する見返りとしてのプレミアムをもたらす。ファクターが重要であり、資産クラスのラベルが重要なのではない
・委託先のマネージャーがさらなる悪環境期の組合せをもたらさないか、注視すべきである

アンドリュー・アングの『資産運用の本質』は、資産運用を本格的に勉強したい人にはぜひお勧めしたい本である。

アングらは2009年にノルウェー政府年金基金(Norwegian Government Pension Fund-Global)の資産運用におけるアクティブ運用の効果・意義について包括的な評価を行った。そのペーパーは公表されており、今日のスマート・ベータの議論の先駆けになったとも言われている。

"Evaluation of Active Management of the Norwegian Government Pension Fund – Global" Ang, Goetzmann, Schaefer(2009)(pdf)

"Review of the Active Management of the Norwegian Government Pension Fund Global" Ang, Brandt, Denison(2014)(pdf)

2015年3月25日水曜日

ヘッジファンドのパフォーマンス分析

ミューチュアル・ファンド(投資信託)や年金のパフォーマンス分析については古くから研究されており、ヘッジファンドのパフォーマンス分析もその文脈を踏まえたものになっている。ただし、ヘッジファンドの場合、市場の局面でも空売りによって積極的にリターンを獲得しようとするものが多いので、分析するファクターにルックバック・オプションのストラドルを加えるなどの工夫が行われている。
通常のファンドのパフォーマンス分析については四方健彦氏の「アクティブ運用のパフォーマンス評価とマネジャースキルに関する研究:サーベイ」(2010)が詳しくて参考になる。

初期の研究としては
"Mutual Fund Performance" Sharpe(1966)
"Can Mutual Funds Outguess the Market?" Treynor and Mazuy(1966)
"The Performance of Mutual Funds in the Period 1945-1964" Jensen(1967)
などが有名。

資産クラスをファクターとして使うアイディアとしてSharpe(1992)やFama and French(1993)など。
"Asset Allocation: Management Style and Performance Measurement" Sharpe(1992)
"Common risk factors in the returns on stocks and bonds" Fama and French(1993)

ヘッジファンドのパフォーマンス分析ではFung and Hsiehの一連の研究が有名。
"Empirical Characteristics of Dynamic Trading Strategies:The Case of Hedge Funds" Fung and Hsieh(1997)
"The Risk in Hedge Fund Strategies: Theory and Evidence from Trend Followers" Fung and Hsieh(2001)
"The Risk in Fixed-Income Hedge Fund Styles" Fung and Hsieh(2002)
"Hedge Fund Benchmarks: A Risk Based Approach" Fung and Hsieh(2004)
"Extracting Portable Alphas From Equity Long-Short Hedge Funds" Fung and Hsieh(2004)

他にも
"Risks and Portfolio Decisions Involving Hedge Funds"Agarwal and Naik(2004)
"アジア太平洋地域のヘッジファンドの選択とパフォーマンス分析"高橋、袴田、山本(2006)
"ヘッジファンド運用戦略の事後評価とリスク計測モデルの検討"加藤宏典(2011)
など。

2014年4月15日火曜日

シャープ・レシオとその他の指標の順位相関

超過リターンをリスクで割ったシャープ・レシオはリターンが正規分布であることを想定しているので、リターンが正規分布ではないと言われるヘッジファンドのパフォーマンス分析には適さないとよく言われる。

これについてMarin Elingは"Does the Measure Matter in the Mutual Fund Industry?"(2008)において、ヘッジファンドとミューチュアルファンドのリターン・データを使って、シャープ・レシオとその他の指標を順位相関(Spearman's (1904) rank correlation coefficient)を計算し、結果に大差がないという結論を出している。

Spearman's (1904) rank correlation coefficientは変数の関係が線形である必要はないし、変数がインターバル・スケールで計測されている必要もない。

検証された指標は、Omega, Sortino ratio, Kappa 3, Upside potential ration, Calmar ration, Sterling ration, Burke ration, Excess return on VaR, Conditional Sharpe ration, Modified Sharpe ratioである。




2013年10月26日土曜日

日経、金融ニッポン。「長期投資が運用力鍛える プロを増やせ」

「国内の投資家の存在感が低下している」

カナダのオンタリオ州公務員年金基金は6兆円を300人で運用しているそうだ。運用担当者の報酬は成績次第。一方、GPIFは120兆円を70人程度で運用。深刻な問題はプロが足りない事だ、と。まあ、人数じゃないと思いますけど。アロケーション決めるだけならそんなに人数いらない。

JPMの菅野氏の「多様な資産に投資するには、長期的に1000人くらいの専門家が必要だ」という意見もどうかなと思いますね。バフェットみたいにほとんど1人でやっているひともいるし、クオンタム・ファンドも昔はソロスとロジャーズの二人でやってたし。人数が多けりゃいいもんじゃないです。

「企業年金や投資信託でも本当の専門家が豊富だとは言い難い。大手の運用会社はほとんどが証券会社や銀行の系列だ。定期の人事異動を優先するサラリーマン組織では個性的なプロが育ちにくい」。これはおっしゃるとおり。

野村アセットは「若い人材をじっくり育てたい」ということで運用担当者の定期異動をやめたそうだ。「ファンドマネジャー候補の人材に、内部の試験ファンドで運用を経験させ適正をみるなど長期的にプロを育てる仕組みもここ数年で整えた」

「個人一人ひとりの金融知識の向上も課題だ。証券会社や銀行などによる営業攻勢もあり、個人は利益が出ているファンドほど短期で手放し、新商品に買い替える傾向がある。個人が長期の運用成績をみて投信を選ぶ意識を持たないと、運用力による競争がおきずプロも育ちにくい」
悲しい現実よねえ...

ちなみに、三菱アセットで「凄腕」を運用していた糸島さんは今はコモンズ投信なんですね。

2012年7月24日火曜日

ドルコスト平均法

まだ、ちゃんと読んではいないのですが、この論文はコツコツ投資家の方は必読なのではないでしょうか。アカデミックな視点からドルコスト平均法を検証されたようです。リンク先のウェブサイトのフルテキストURLのところからPDFファイルをダウンロードできます。

「ドルコスト平均法を用いた投資の有効性の検証」(田路、笛田、2012)

それに対する肯定的な討論

「効果的な投資手法としての検証結果が示された」(吉野、2012) (PDF)

2012年7月20日金曜日

とうもろこし、大豆、小麦の国際価格が上昇してきている

7月19日の日経「小麦の国際価格、4年ぶり高値 ロシア減産見通しで」

「主要生産国のロシアの天候が不順で収穫量が減る見通しが強まった。飼料用で競合するトウモロコシが米国の熱波を受けて高騰したのも押し上げ要因だ。小麦の輸入を管理する日本政府は製粉会社への売り渡し価格を10月に引き上げる公算が大きい。」

「シカゴ市場の先物価格は17日、期近の9月物が一時、1ブッシェル8.985ドルまで上昇した。ロシアの禁輸で相場が高騰し、北アフリカ諸国の民主化運動「アラブの春」のきっかけとなった2011年2月の高値を更新。リーマン危機前の08年8月以来の水準となった。」

アメリカのとうもろこしや大豆は水をまかないんだよね。自然の雨だけが頼り。だから雨が降らないとそのまま枯れてしまう。とうもろこしの価格があまりに高くなると動物の飼料として今度は小麦を与えだすんだよね。普段は小麦のほうが高いからやらないけど。小麦はロシアも不作らしい。ロシアの小麦禁輸が「アラブの春」のきっかけになったとすると、世界の動きは複雑ですね。

私が持っている投資信託の「国際のe-コモディティ」も、今は小麦、とうもろこし、大豆などの農産物が組入れの中心になっている。

2012年4月28日土曜日

大豆の価格が上昇、最高値に接近



今日の日経【商品】面に『大豆、最高値に接近』の記事。

大豆の国際価格が2008年7月につけた史上最高値に近づいている。今年は世界の輸出量の半分を占める南米産が不作で供給不足の懸念が強まったのが主因。米国では昨年、史上最高値をつけたトウモロコシへの転作が進みそうで米国の輸出余力も低下し供給不足が長期化するとの見方も出ている。大豆を原料とする食用油や飼料は、中国や新興国需要が拡大するとの見方が多い。上昇基調が鮮明なことから投資資金の流入も加速している。

とうもろこしと大豆は春に種をまいて秋に収穫。冬小麦は秋にまいて夏前に収穫。とうもろこしの価格は5~7月にピークをつける傾向がある。とうもろこしと大豆は同じ畑で輪作する。大豆を育てると土にチッソが残りトウモロコシはそれを消費する。北米、南米ではトウモロコシを育てるときに水はやらない。雨頼み。だから旱魃になると価格が高騰する。農家は目先有利な方を多く生産する。昨年はトウモロコシが有利だったので大豆の作付けが不足。
トウモロコシ、大豆の北米の生産地はコーンベルトと呼ばれる地域。一方、小麦はもう少し南西。夏に雨がほとんど降らないのでトウモロコシを育てられない。
米国ではトウモロコシのエタノール用途が資料用途を上回ってきている。米国のエタノール製作は温暖化対策、石油輸入依存度軽減、農家への補助金削減の一石三鳥となった。今では農業保護もやめ、エタノール保護もやめている。最近の北米の農家は潤っている。農地の価格も上昇している。
大豆は中国の輸入が急増している。日本の輸入量350万トンに対して中国は5500万トンで毎年400万トン増えている。南米の旱魃で受給はしばらくタイト。トウモロコシ、大豆、小麦とも最大の輸出国は米国。
米国の穀物はミシシッピー川沿いのグレインエレベーターに集荷され、バージで1ヶ月かけてミシシッピ川を使ってニューオリンズに近いバトンルージュに運ばれ、そこから輸出される。
トウモロコシの価格が上がると大豆からトウモロコシに生産がシフトして大豆の供給が減る。トウモロコシの価格が上がりすぎると普段は人間が食べている小麦を飼料に使い出す。この3つ価格には関係性がある。
穀物の受給逼迫は長期化する可能性が高いらしい。

価格の推移をみると昨年の12月からきれいに上昇トレンドとなっている。

日米欧の中央銀行がそろってインフレにしようと金融緩和をしているので、資産の一部をコモディティにしておくのもいいと思う。世界最大のヘッジファンドのマネージャーのレイ・ダリオも先日の日経で「分散投資の一環として投資資産の10%程度を金に振り向けることだ」と言っていた。

コモディティに投資する投資信託もいくつかあるが、コモディティの場合先物のロールコストなどの問題があるので、単純なインデックス連動型は避けて、CTAのようなトレンドフォロー型の運用をするものがいいと思う。

2011年10月22日土曜日

日経の【投信ウオッチ】 「クオンツ型が首位に」

2011年10月20日の日経夕刊【投信ウオッチ】に過去5年間の代替投資型の騰落率ランキングが出ている(「クオンツ型が首位に」)。1位は「クレディ・スイスGTAAファンド(CSアルファ)」
クレディ・スイス投信っていつのまにかアバディーン投信投資顧問になっていたのか!...
代替投資型2位は『大和住銀ジャパン・スペシャル ニュートラル・コース(ヘッジあり) :愛称「ギアチェンジ」』先物で常にショートしているのね。ちゃんとアルファを生み出していて感心...
また22日の【日経朝刊】には「ヘッジファンド1.6兆円流出」「株・商品安で成績悪化」の記事。北米89億ドル、欧州72億ドル流出。「世界のヘッジファンドの運用残高は9月末に1兆7644億ドル」となった。マンは26億ドル流出、ポールソンは9月の下落率2割で年来5割、GSはクオンツHFを償還。

2011年10月10日月曜日

日経 「ヘッジファンド型投信」

2011年10月10日の日経・資産運用面で「ヘッジファンド型投信」を取り上げている。

「現在は108本が運用されている。リーマンショックからの3年間で比較可能な48本の平均は8%強のマイナスで同期間の日経平均32%下落とくらべると、下げ相場で耐えるという特徴が表れる。プラスは13本。マーケット・ニュートラル好調。住信アセット「LSオープン」(11%、2億円強)、日興アセット「日本株コアα」(7%、5億円弱、来年4月に繰り上げ償還)。他のヘッジファンド型投信も昨年までに設定された投信は大半が100億円に満たない。
投信市場では新興・資源国の資産で運用し、毎月高額の分配金を出す商品に人気が集中してきた。ヘッジファンド型投信は『特に日本株型は期待収益率が低く、資金が集まりにくい』(住信アセット)ことに加え、運用内容が複雑で対外的な情報発信が不十分なことも多い。『収益の源泉が分かりにくいことから、個人に本格的に普及していない』(マネックス証券)
野村アセットの「グローバルトレンド」はシリーズ合計残高が2000億円を超えた。日興アセットの「フォーシーズン」は地銀などが扱う。『個人向け商品で最も大事なのは透明性』(辻村アクティブ運用本部長)との考えから、運用は相場動向が把握しやすい先進国通貨のロング・ショート。
『個人の多くはまだ、ヘッジファンドが資産を守るための商品だと認識していない』(大和証券の関根投信部長)。「『いまもうかりそう』ではなく、『ポートフォリオを組む上で必要』という発想で選ばれるようにならないと定着しないだろう」(福田啓太FP)。」
今年設定の主なヘッジファンド型投信として、他にも『GTE資産成長型(東京海上アセット)』、『GAMエマージングストラテジー(日興アセット)』、『日本株ロング・ショート戦略(ユナイテッド)』、『エマージング・ロングショート(ブラックロック)』など。
注意点として、初期費用・コストが高めなことも指摘。

2011年9月17日土曜日

ネット4社共同プログラム 資産倍増プロジェクト専用ファンド


以前から注目していた、「ネット4社共同プログラム 資産倍増プロジェクト専用ファンド」のパフォーマンスをグラフ化してみました。基準価額は三菱UFJの「日本応援株ファンド(日本株) スマイル・ジャパン」が8,364円、DIAMの「新興国中小型株ファンド」が8,423円、「新興市場日本株レアル型」が8,326円です。設定からまだ1、2ヶ月しか経っていないのに既に15%前後、基準価額が下落しており、残念な結果となっています。なぜ、この3ファンドが選ばれたのか首を傾げたくなります。

現在の純資産はそれぞれ5.4億円、8.2億円、5.4億円です。この程度だと、運用会社側としても利益の出ていない水準と思われます。
ネット証券は投信販売において大きなポテンシャルを持っていると思いますが、ネット証券の人たちはまだその自覚がないようです。

2011年7月5日火曜日

【日経】日本の投資信託60年(上)

今日の日経新聞の記事をメモしておく。見出しとして「運用不振 浸透道半ば」「個人金融資産の4%どまり 欧米との差広がる」「営業力が物いう」

純資産残高     日 63.72、 米 963.51、 英 72.93、 仏 130.59 (兆円)
1人当たり保有額  日 50、 米 311、英 118、仏 207 (万円)

1951年6月の証券投資信託法の施行で現行の投信が誕生して60年が過ぎたらしい。
日本も80年代までは投信の普及率で欧米に引けを取らなかった。差が広がったのは「日本株の長期低迷などで、個人の間で利益を得たという成功体験が乏しい点が最大の問題だ」(GSAM 山田俊一)
投信の成績不振は「相場のせい」だけでは片付けられない。「選別投資をきちんとしていたら、日本株投信でもプラスの運用成績を確保できたはずだ」(野村総研 堀江貞之)
過去10年でTOPIXは30%近く下がったが、個別銘柄では全体の48%の銘柄が値上がり。目利き次第ではファンドの値上がりも可能な環境だったといるが、日本株投信(アクティブ型)の85%の基準価格は下落した。
運用会社は大半が証券会社や銀行のグループ会社で、販売会社の方が運用会社より力関係が強い。「日本では個人の意向より販社の売りたい商品がトレンドを作る」(米系運用会社)
「運用成績ではなく販売会社の営業力で投信の売れ行きが決まるため、運用者の成績向上に対する意識が低い」(レオス・キャピタルワークス 藤野英人)
日本の投信に問われているのは「運用力」という金融商品としての基本的な機能だ。

以上が、日経の抜粋。個人的に付け加えると、「運用力」があったとしても、パフォーマンスが良いと逆に換金売りで純資産が減っていくからね。

2010年8月21日土曜日

日本の投信の問題点

いつか、日本の投資信託の問題点を整理して書こうと思っていたのだが、立田博司さんが日経ビジネスのウェブサイトで既に上手にまとめられていたので、リンクを張っておく。ここに書かれていることは概ね正しい。


2010年3月7日日曜日

膨らむ投信保有コスト、 BRICs投信に2兆円

2010年3月7日(日)の日経の記事で「信託報酬が6年連続上昇」とあった。2009年末で1.35% (°∇°;)。憂うべきことである。信託報酬というのは投資信託の運用資産から自動的に徴収されるコスト。今の金利水準から考えても1.35%はいくらなんでも高すぎる。詐欺に近い。なんで暴動がおきないのか。日本の受益者はバカにされているのである。

21世紀アセットの「グレートチャイナCBファンド」の2.97%にいたっては詐欺である。CBだったら大したパフォーマンスは期待できないだろうにそこから2.97%も引くとは言語道断だろう。こんな投資信託は買ってはいけない。

「BRICsや新興国の株や債券は直接売買することが難しいため、海外の運用会社に運用を委託したり銘柄選定の助言を受けたりする。こうしたコストが上乗せされるため、信託報酬が高く設定されるケースが多い」と書いてある。冗談ではない。オレなんか10年前から新興国の株を自分で運用していたぞ。

日本の運用会社だって十分運用できるのだ。結局、客に投信を売るときに外国物は外資系の名前の方が売りやすいからだろう。販売会社のレベルが低いのが問題だ。ついでに言うと顧客のレベルも低いのが問題だ。日本全体の金融リテラシーの低さの問題だ。そのコストが結局受益者に全部押し付けられている。

日本において運用会社が銀行・証券の子会社の立場から独立できていないことが最大の問題だ。投信の流通チャンネルが古い銀行・証券に押さえられていることが問題だ。

日本の銀行、証券、投信会社がこんな受益者をバカにしくさったビジネスを続けていると遅かれ早かれ強烈なしっぺ返しをくらうのは間違いない。今の金融知識はゼロに近い高齢者からネットを使いこなせる受益者への世代交代が近いうちに起きる。そのときに、今の銀行・証券のビジネスモデルは完全に崩壊するよ。

ついでに言うと、投信会社の社長、会長、役員を銀行・証券の天下り先に使うのは止めてくれ。役人の天下りは批判するくせに、日本の企業は役人の行動はトレースするんだからな。まったく、勘弁してくれ。

BRICs投信に2兆円というのも、キ〇〇〇沙汰だな。ブラジルなんてこれまで何度も通貨のデバリューを繰り返してきているだろう。そんなところに日本の金がドッと流れ込んでバブっているのになんでそんな国の株、債券、通貨の投信を買うのかね。資金が逃げ出したら一気に基準価額が暴落するけど。大損しなければいいけどな。