2010年8月7日土曜日

制御工学におけるラプラス変換の必要性

(1) 制御システムの数理構造を、実空間の世界f(t) から演算子sを用いた複素空間F(s)の世界に変換する。ラプラス変換はそのときのf(t) からF(s)に変換する基礎理論である。
(2) 物理学の制御システムは元を正せば実時間の微分方程式に帰着できるが、実学ではf(t)F(s)に変換し、演算子sの下で代数式としている。
(3) ラプラス変換で用いる演算子sは、実時間との間に次のような対応がある。
d/dt → s (ただし、微分可能なとき)
S dt → 1/s (S は積分記号)
したがって微分方程式を演算子sを用いて表すことができる。
(4) を用いた伝達関係法のメリット
a. 微積分を用いた数理解析がまったく不要になり、すべて代数計算で解析できる。
b. システムの動きや論理がブロック線図で考察でき、さらにシステムの組み替えまでも図式で行える。
c. 実学の上で必要となる主な位置関係について、標準形や変換表が利用できる。

ふうむ。時系列分析でフーリエ変換すると計算が楽になることがあるのと同じイメージか。

フーリエ変換ではf(t) 波形をすべて周波数成分のみの合成で表しているが、ラプラス変換では、時間的な変化を表す過渡項e^-atと定常的な周波数成分を合成したものと考える。
以上から、次のことがいえる。

(1) f(t) 波形を周波数成分の合成として表したいとき、言いかえればf(t) の過渡項を分けて考えないときは、フーリエ変換結果のF(jω) が対応する。
(2) f(t) を過渡項と定常項を分けて考えるときはF(s)が対応し、s=a+jωの実数部が過渡項、虚数部が定常項となる。
(3) したがってF(s)の定常状態を解析するときは、s=jωとおくことができ、求められたF()を周波数伝達関数とよび、伝達系の周波数特性を求める基本式となる。

そういうことか。
無限級数を線形近似するためのパデ近似をNumerical Recipesでチェックしておくこと。

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