会社の帰りにオアゾの丸善によったらピケティの『21世紀の資本』、もう売っていた。
分厚いけど、意外と軽いです。
あと、Tiroleの『国際金融危機の経済学』も売っていた(洋書が6840円で翻訳が2000円)。
ピケティは翻訳の文体がクルーグマン本みたいなチャラい感じではなくてよかった。ということで、ピケティとティロールを買って帰る。
みすず書房の表紙のデザインと質感は相変わらず素晴らしい。よく見ると"LE CAPITAL"の字が二つに分断されていて本の主張を象徴している。
帯のコピー。「本書の唯一の目的は、過去からいくつか将来に対する慎ましい鍵を引き出すことだ」
『21世紀の資本』の日本語ホームページ
http://cruel.org/books/capital21c/
"The World Top Income Database"
http://topincomes.g-mond.parisschoolofeconomics.eu/
ピケティ「歴史分析と、ちょっと広い時間的な視野の助けを借りると、産業革命以来、格差を減らすことができる力というのは世界大戦だけだったことがわかる。」
やはり、個人的にはピケティ『21世紀の資本』の翻訳の文体は好きではない。
「マルクスは、(1848年の)その結論を正当化するように研究を進めたのだ。マルクスは一目見てわかる通り、すさまじい政治的な熱意をもって書いたので、時に仕方ないとはいえ拙速な断言をいろいろやってしまった。だからこそ、経済理論はなるべく完全な歴史的情報源に基づかなければならないのだ」
「19世紀の経済学者は終末論的な予言をやたら気に入っていたが、今度はおとぎ話を気にるようになったらしい。クズネッツに言わせると、辛坊さえすればやがて成長が万人に利益をもたらす。当時の哲学は次の一文でまとめられている。「成長は上げ潮であり、あらゆる船を持ち上げる」。」
「クズネッツの理論が80年代と90年代にもたらした大きな影響を正しく伝えるには、それがこの種の理論として初めてまともな統計手法を使ったものなのだということを強調せねばならない。」
「実は、所得分配統計の時系列データが初めて整備されたのは、1953年にクズネッツが記念碑的な『所得と貯蓄における高所得グループの比率』を刊行したときなのだ。」
「13年から48年にかけての米国の所得(格差)が大幅に圧縮されたのは、ほとんど偶然の産物だということをクズネッツ自身もよく知っていた。これは大恐慌と第二次世界大戦が引き起こした複数のショックにより生じたものがほとんどであり、自然または自動的なプロセスによるものはほとんどなかった」
「14年から45年にかけてほとんどの富裕国で見られた、急激な所得格差の低下は、何よりも二度の世界大戦と、それに伴う激しい経済政治的なショック(特に大きな財産を持っていた人々に対するもの)のおかげだった」
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