2009年12月29日火曜日

ファイナンスにおける楽園


ARMAモデルなどの多くの非定常モデルは線形ガウス型の状態空間モデルの形で表現できる。このようなモデルに対しては、カルマンフィルタによる対数尤度関数を準ニュートン法で最大化するという統一的なアルゴリズムを使うことができる。

カルマンフィルタと準ニュートン法の組み合わせは、ファイナンスにおけるひとつの楽園だと思う。
動的計画法は理論的には楽園だが数値計算では地獄と背中合わせである。でもマルチンゲールを使うことで地獄を避けて楽園へたどり着くことができる。

かつて僕はPascalで楽園を垣間見ることができた。問題は簡単だったし、僕はまだ若く、体力もあった。
C++でもう一度、楽園に行くことができるだろうか?

写真は、娘が新しく買ってきた魚。種類は分からない(ちゃんと店で聞いてこいよ)。一時期、グッピーが爆発的に増えて育てるのに疲れてしまい、オスメス分離作戦を取ることであと一匹まで減らしてきていたのだが。今度は、自分で育てると言っているが・・・。
追記:ネットで調べたところ、『バルーンモーリー』という種類らしい。セルフィンモーリーの脊椎骨異常の奇形だったものを品種改良で固定させた品種。ちょっと『孤島の鬼』的な・・・?

2009年12月27日日曜日

完全なる証明

この本に関しては、英語版よりも日本語版を読むべきだろう。なぜか英語版ではかなりの部分がカットされているらしい。
ソビエト時代にユダヤ人がいかに差別されていたか、いかにペレルマンが守られ、運も味方したか(ペレストロイカなど)、社会主義のもとで多くの学問が衰退していくなかでいかに数学が生き延びていくか、そのことにコルモゴロフがどれだけ貢献したかなどが冷静な筆致で描かれていく。
ハーバードのヤウ・シントゥン(Shing-Tung Yau,丘成桐)の、(本当だとすると)最低な行為なども書かれるが、白眉なのはRicci Flowコミュニティの中心人物、ハミルトンとのやりとりだろう。
途中、メダリオンのジム・シモンズ(元数学者で大金持ちのヘッジファンド・マネジャー)も出てきたりして、驚く。
ペレルマンの行動は、多くの人には心の中では理解できるだろう。ただ、普通は社会と妥協しながら生活せざるをえない。
NHKスペシャルは、門外漢の一般の人に専門的な内容を知らしめる効果はあるが、一方でその道の専門家からみたら、首を傾げたくなる内容も多い。先日の金融工学特集も金融のプロのオレからみると、おやおやという点が多い。
 NHKのポアンカレ予想特集でも、ポアンカレ予想が宇宙の形を解明するかのような説明だったが、「ポアンカレ予想と宇宙の形にはあまり関係がない」そうだ。
ペレルマンの行動から、数学ですらお金の問題が複雑にからんでくるアメリカ流の学術研究の枠組みや運営方式にたいする問題が浮かび上がってくる。
正月休みの時間つぶしにはもってこいの読み物。
ちなみに、ペレルマンの論文とKleiner and Lottのそれに関するノートは今でもネット上で閲覧できる。
《ペレルマンの3本の論文》
《Kleiner and LottのNotes on Perelman's paper》

2009年12月26日土曜日

PowerPointの数式をTexで

修士論文「プレ報告会」まで、あと10日しかない。ヤバイのぉ。論文もまだきれいに仕上げてないのに~。

パワポを作らないといけない。過去の卒業生の資料をみると、皆さん30ページくらい作っている(ただし、優秀ということで選ばれた人が3月にもう一度発表したときの資料なので「プレ報告会」の資料とは違うが)。

パワポの数式をあの使いづらい「数式エディター」で作るかと思うとほとんど発狂しそうになっていたのだが、ありがたいことにTexの数式をそのままパワポに貼り付けられるソフトを無料で公開されている方々がいらっしゃる。

pptTex

TeXclip

家ではpptTex、会社ではTeXclipを使うことにする(会社のPCはアドミニでないとインストールができないため)。LaTex(WinShel)の場合、標準のインストール先がC:\usr\local\になっていたので、pptTeXの起動時にそこだけ注意すると、XPとPowerPoint2003でもちゃんと使えた。

ここにTeXの数式のコードを書く
これで使いづらい「数式エディター」とは「おさらばえ~」(JIN-仁の野風)。

2009年12月23日水曜日

論文製本と口述試験

昨年の卒業生の人は別のところで2日で製本したようだ。

(その人のブログ)

また、口述試験については、

>先生と2対1で、約30分間。
>最初の5~10分はshadow presentation。
>つまり何も見ずに論文の要旨を説明する。
>で、残りは質疑応答。
>論文本体と要旨は持ち込み可。

だそうだ。ブログはこちら

前に師匠と話したときには、口述試験では「ちゃんと本人が書いたかどうか、内容を理解しているかどうかをチェックする」とおっしゃっていた。

全然関係ないが、近所のスーパーに買い物にいったらレジの女の子がサンタの帽子を被っていて、萌えてしまった。実はコスプレに弱いのよね。

2009年12月22日火曜日

統計科学の数理 第10回 重回帰分析

8Fのオープンスペースで修論製本のサンプルを見てきた。ICSのロゴ入りのハードカバーはかなり「かっこいい」。自分の分も作ろうかな。25日だと1冊で5250円、2冊だと一冊当たり3990円。まあ、いらないか。

口述試験のスケジュールも決まるし、プレ発表会も近づいて、ICSでの生活が終わろうとしていることがリアルに感じられてきた(終わって欲しい・・・)。

今年の授業は今日で終わり。重回帰分析。回帰分析をベクトルと行列に変えただけ。最小2乗推定量の求め方は①微分による方法、②射影を用いる方法の2通りある。重回帰モデルの仮説検定、重相関係数、F検定、分散分析、個々の回帰係数に関する検定と信頼区間、多重共線性。「現実には厳密な共線性が成り立つことは少なく、余分なダミー変数を入れた場合に起こる」。

分散増幅因子(variance inflation factor, VIF)は、初めて知った。「VIF>10の場合は多重共線性の疑いあり、という提案の理論的根拠は薄い」。

2009年12月21日月曜日

論文製本

日本文書に問い合わせたところ、丁寧な回答が送られてきて好感を持った。

>問い合わせにございました事項については以下の通りとなります。

○1月18日と1月25日でのハードカバー1冊の価格はいくらになりますか?
 
・ 1月18日(月)15:00締め切り分→ハードカバー1冊 4200円
 ・ 1月25日(月)17:00締め切り分→ハードカバー1冊 5250円
 一橋大学ICSの事務局受付限定の価格となりますので、ご注意下さい。

○上記の日にちは申込の締め切りですか、それとも論文持込の締め切りですか?
 
基本的には申込みと論文の持込は同時とお考え下さい。
 早い段階で一橋ICSの事務局に持ち込んで頂けると、作業の関係から
 製本料金をお安くさせて頂いております。

○論文持込だとすると一橋ICSの事務室に印刷したものを持ち込む必要がありますか、
  それともPDFを日本文書にメールで送信するやり方でも可能ですか?

基本的には一橋ICSの事務局に持ち込んでの申込みとなります。
  弊社の店頭で受付も可能ですが、その場合には恐れ入りますが、上記のハードカバー1冊の価格での
  御案内とはならず、また、お引き渡しは2月1日に店頭に来て頂く必要がございます。
  
○製本の受け取りは郵送ですか、それとも御社での受け取りも可能ですか?

 一橋ICSの事務局での申込み、事務局でのお引き渡しとなっております。
 弊社での店頭受付となりますと、店頭でのお引き渡しとなります。

2009年12月20日日曜日

El Barça, Campeón del mundo


FC バルセロナがクラブW杯で優勝して、文字通り世界一となった。オレは2年間、バルセローナで暮らしたので当然ながらバルサを応援した。92年のリーグ優勝時はバルサの選手だったグアルディオラ監督が泣いているのをみて、オレも泣けてきた。
クラブ世界一は今まで唯一バルサに欠けていたタイトルだった。イニエスタがいないこともあって、美しくはなかったが、決勝にふさわしい泥臭い試合となった。流れはエストゥディアンテスだったが、勝たなければならない試合で底力を見せた。メッシは神懸っていたな。
おめでとう、バルサ。バルセローナは大騒ぎだろうな。(^^)

2009年12月19日土曜日

GoRoZo in SOKEHS ROCK

大学時代の友達がライブをやるので、忘年会をかねて行ってきた。場所は四谷のSOKEHS ROCK(ソケースロック)。3~40人くらいのライブハウスで満員だった。バンドと客の平均年齢が高いので、肩の力の抜けた、大人のライブだった。前半はカーペンターズのカバー、途中マジシャンの手品を挟んで、後半はブラジリアン・ポップス、明日にかける橋、天使にラブソングを、Silent Nightなどをアレンジを変えたりして演奏した。

個人的にはアンコールの前にやったキャロル・キング(ダニー・ハザウェイ?)のYou've got a Friend(君の友達)が一番良かった。

バンドの名前はGoRoZo(五郎蔵)という。鬼平犯科帳に出てくる密偵の名前から取ったそうだ。Worldwide Musicを標榜し、特にブラジリアン・ポップスのIvan Linsの曲を多くやるそうだ。

バンドのウェブサイトはこちら

昨日はドラムが出演できなかったということでパーカッションは大忙しだった。

数理ファイナンスの効率的な勉強法

ファイナンス理論は大きく分けると金融工学系(工学系、OR系)と数理ファイナンス系(数学、確率、統計)に分けられると思います。金融工学系の主な応用分野はポートフォリオ理論、ファクターモデルなど、数理ファイナンス系の主な応用はデリバティブの価格付けということになると思います。

数理ファイナンスは現在苦労して勉強中の身なので偉そうなことはいえませんが、もしも数理ファイナンスの勉強をやりなおせるならこうのようにすべきだったという視点で書きたいと思います。

①本を読む
②論文、ワーキングペーパーを乱読する
③プログラムを書く

自分で勉強する場合、①の本での勉強が中心になると思います。お勧めの本は、後で詳しく紹介します。

②については、私は事情があって一時期、ひたすら米欧の論文・ワーキング・ペーパーを読みまくったことがあったのですが、それが大変役に立ったと思います。とりあえずはファイナンスの巨人、Mertonの論文を集めた「Continuous-Time Finance」という本があるので、その辺りから読み始めればいいと思います。

③実際にプログラムを書いてデータを分析すると、理解が進むと思います。C++が理想ですが、アカデミックではMatlab(Scilab),S-plus(R),Octaveなどが使われます。Rはフリーで様々な関数やサンプルがネット上にあるのでお金がなければRがお勧めです。数値計算の本では「Numerical Recipes」が定番です。

ハルとルーエンバーガーは入門書としては最適だと思います。問題もすべてやれば準備は十分ではないでしょうか。同レベルのお勧めとしてプリスカの「数理ファイナンス入門 離散時間モデル」、連続時間ではビョルクの「数理ファイナンスの基礎―連続時間モデル」があります。デリバティブ寄りの本では「ファイナンスの確率解析入門(藤田)」、「デリバティブ価格理論入門(バクスター、他)」がお勧めです。

次のレベルとして「ファイナンスのための確率解析Ⅱ(シュリーヴ)」、「ファイナンスへの確率解析(ラムベルトン、他)」、「ファイナンスのための計量分析(キャンベル、他)」があります。

最後にダフィーの「資産価格の理論」、「Methods of Mathematical Finance」 (Karatzas, Shreve)で数理ファイナンスは卒業でしょう。

金利モデルでは「Interest Rate Models」(Brigo, Mercurio)が定番です。

確率解析の中心になる伊藤解析はエクセンダールの「確率微分方程式」が定番です。他にも日科技連からでている木島正明の一連の本も良いです。

測度論から確率論を詳しく勉強したいのならウィリアムズの「マルチンゲールによる確率論」、ツァビンスキ他の「測度と積分」あたりが良いようですが私はまだ読んでいません。

最近のファイナンスでは時系列モデルもよく使われるのですが時系列ではハミルトンの「時系列解析」が定番です。

あと、最適化も重要なので「経済学のための最適化入門」(西村)、「凸解析と最適化理論」(田中)などで勉強するといいと思います。

数学の基礎が不十分な人は藤田の「穴埋め式らくらくワークブック」の微分積分、確率・統計、線形代数をやっておくと良いと思います。あと永田「統計学のための数学入門30講」もいい本だと思います。

上記の本のうち、英語が苦にならないならできるだけ最新版の原著を読みましょう。

2009年12月17日木曜日

Andrew Lo


Andrew Loのセミナーに行ってきた。彼はMITのMBAの教授であり、アルファ・シンプレックスというヘッジファンド運用会社のチーフ・インベストメント・ストラテジストである。

私は彼とMacKinlayが書いた"A Non-Random Walk Down Wall Street"という本で衝撃を受けて以来のファンなのだが、ICSの人には「ファイナンスのための計量分析」を書いたCampbell, Lo, MacKinlayのLoと言ったほうがわかりやすいかもしれない。この本を訳したのはICSの先生方でICSのロゴが入っている。ちなみに"A Non-random Walk Down Wall Street"はマルキールの「ウォール街のランダム・ウォーカー」よりもはるかに素晴らしい。私にとって入学前のICSのイメージは”「ファイナンスのための計量分析」とダフィーの「資産価格の理論」を訳した先生がいる学校”というものだった。
Natixisがアルファ・シンプレックスを買収したので、今回のセミナーはNatixis Asset Management Japanが主催したものだった。ちなみにNatixisには前にICSでリスク管理のセミナーをしたクルーイ教授もいる。
Lo教授の話は①適合的市場仮説、②ベータ複製戦略、③アクティブ・ボラティリティ・マネジメントの3つで合計1時間30分近かった。基本的にサービス精神旺盛な人なので、質問に対していろいろと教えてくれていた。そこまで言っていいの、という感じ。あまりここで書いてしまうとLo教授に悪いので書かないが、少しだけ書くと、カルマンフィルタとレジーム・スイッチング・モデルを使っていると言っていた。つまり私が仕事で開発しているモデルのスタイルと似ている。まあ、そうだろうな。
セミナーの会場はザ・ペニンシュラ東京。初めて足を踏み入れたが、大変美しくて豪華なホテルでした。ゼミの同期も来ていた。彼の場合は修論のテーマに非常に近い話だったので、収穫も多かったようだ。この手のセミナーはあまり役に立つことはないものだが、さすがにLo教授、私にとっても収穫の多いセミナーだった。"Hedge Funds"というハードカバーの本までくれて太っ腹。

私も将来ヘッジファンドを運用したいものだ。



2009年12月15日火曜日

修論、統計科学の数理 第8回

昨日は口頭のコメントだったが、今日になって赤ペンでたくさん書き込まれた修論が帰ってきた。読んでみるといちいちごもっともな指摘。ということで分析はともかく文章は全面的に書き直す必要があるな。

事務室から製本の案内が来ていた。

  第1回 平成22年1月18日(月)15時までの締切(時間厳守)
  第2回 平成22年1月25日(月)17時までの締切(時間厳守)

値段が違うらしいが、当然第1回のほうが安いんだろうな。18日だとあまり余裕は無いな。もう少しでマルチンゲールのほうも終わりそうなのだが・・・。今年は正月休みも残念ながら短いのね。今から、鬼のようにがんばるしかないな。

統計科学の数理は中間試験が帰ってきた。ほとんど勉強してないので、まああんなもんだろう。

授業は相関分析と単回帰。
標本平均、平方和、標本分散、標本標準偏差、標本共分散、標本相関係数、分散安定化変換。

最小2乗法、内挿値、残差、正規方程式(normal equation)、垂線を英語でnormalというのでnoraml equationと呼ぶ。正規分布とは関係ない。
残差平方和RSS。正規性の仮定のもとではRSS/σ^2は自由度n-2のχ^2分布となる。

最小2乗推定量は不偏。Gauss-Markovの定理、BLUE。「正規性の仮定の下で、最小2乗推定量は最尤推定量と一致し、その分布は正規分布である」

残差の総和は0。説明変数と残差は直交する。内挿値と残差は直交する。

回帰平方和、F検定、決定係数、信頼区間と検定

2009年12月14日月曜日

修論で師匠と面談

コメントを用意したのでゼミに出席するようにと師匠からメールが来ていたので、おそるおそる行ってきた。師匠の指摘は主に以下の3つ。

①タイトルをもっとdescriptiveなものにする。
②記号を使う前にきちんと定義する。
③セールス・ポイントのメッセージを強くして、読み物として面白いものにする。

「まあまあ、大筋はちゃんと書けているような気がする」ということでとりあえず一安心。

TexにExcelのグラフを載せる方法

修論といえばTexだが、Excelのグラフや表を組み込むにはテクニックが必要。
詳しくはこの方のWebサイトを参照。

要は、組み込みたい表やグラフを仮想プリンタを使ってEPSファイルとして保存してからTexに読み込めばいい。MatlabやEViewsのグラフはそのまま保存するときにEPSファイル形式を選択できるので、そうやって保存すればいい。

2009年12月12日土曜日

ニール・ラーセンのジャングル・フィーヴァーとハイ・ギア

修論のBGMに上原ひろみを聴いてきたが、さすがに飽きてきて何か他にいいのはないかとCDの棚を探した。ボーカルがあると気が散るのでボーカルのないものを探していると懐かしいCDが出てきた。それがニール・ラーセンのJungle FeverとHigh Gearの2枚。

普通はJazz/Fusionに分類されるのだろうが、私はロックとして聴いている。なかなかジャンル分けの難しい音楽でそれだけにセールス的には不利だろう。この2枚は本当に傑作だと思う。その後の「ラーセン・フェイトン・バンド」や「Through any window」が今ひとつなので余計にこの2作の良さが際立つ。

ラーセンのオルガンとフェイトンのギター(ほとんどジミヘンだが・・・)、他も一流ミュージシャンで言うことは無いが、この2作は楽曲がいい。特にHigh Gearのオルガン・ソロはラーセンのベスト・プレイだと思う。どうやったらあんなメロディーを作れるのだろうと感心してしまう。

天才ミュージシャンがものすごく努力したとしても、全てのアルバムを傑作にするということは不可能なわけだが、天才に何らかの偶然が作用して神懸った状態となり音楽的な奇跡と呼べるアルバムができることがある。多分、そのときはむしろ本人たちはあまり努力しなくても勝手にできてしまうという感覚だと思う。

私にとっての音楽的奇跡としてのアルバムは、マーヴィン・ゲイのWha's going on、ダニー・ハザウェイのExtension of a Man、プリンスのParade、ビーチボーイズのPet Sounds、ビートルズのSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band、レッド・ツェペリンのⅡ、キング・クリムゾンのLarks' Tongues in Aspic、山下達郎のRide on Timeなどであるが、ニール・ラーセンのこの2枚もそれらに含まれる(まあ、皆さんそれぞれ意見はあるでしょうが)。

人間、だれでも一生のうちで何回かは神懸りの状態になるんじゃないでしょうか。そのときにうまくチャンスを掴めるかどうかで人生も変わるかもしれない。

2009年12月10日木曜日

永遠に生きるつもりで学べ

ブルームバーグという便利な情報サービスがある。金融・株式市場の分析に必要な情報はほぼこれだけでカバーできる。外国株のファンドマネージャーになってから使い出したのでかれこれ14年使っている。私の場合、これがないと仕事にならない。

ログインするときに指紋認証が必要なのだが、冬になると指の皮膚が乾燥して認識されにくくなって困る。ログインすると上のほうに「本日の名言 Quote of the day」が出ていてこれがなかなか楽しい。

最近、感心したのがガンディー の「明日死ぬつもりで生きよ。永遠に生きるつもりで学べ Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever」。さすがに良いことを言う。

三浦先生の尽きせぬ好奇心を見ていると、俺もまだまだがんばらないと、と思えてくる。

ちなみに「本日の名言」のバックナンバーはブルームバーグでJSAYまたはSAIDとやると見れる。

2009年12月9日水曜日

三浦です

三浦良造先生から「三浦です」という身もふたもないタイトルのメールが来た。驚いたことに漢字の変換間違いがない!。三浦先生はICS創設の最大の功労者であり精神的支柱なのだと認識している。2010年3月31日をもって、定年退職されるそうだ。長い間、お疲れ様でした。

1992年に計画を出したら文部省に8年待てと言われたそうだ。それで欧米の大学院を調査して大橋先生とカリキュラムを作り2000年4月から授業を始められた。

三浦先生の授業スタイルと寄せ集めの資料は(藤田先生の手書きのプリントと並ぶ)衝撃的で違和感もあったが、ぎりぎり三浦先生の授業を受けられたと思うと、今ではいい思い出だ。必ずあった漢字変換間違い(ワザと間違えてるのではないかとすら思ったこともあった)を探すのが密かな楽しみだった。

能力とスピリットの質とレベルが高い、よい学生だったかどうかは自信が無い・・・。

3月23日の修了式後の例年の同窓会パーティーで、定年退職のご挨拶をされるそうだ。同期の全員で笑ってその場に立っていられるといいな。

2009年12月8日火曜日

統計科学の数理 中間試験


問題1:ベルヌーイ分布の最尤推定、問題2:指数分布の確率分布と最尤推定、問題3:仮説検定と検出力関数、第2種の過誤の条件を満たす標本数。
特にひねったところもなく、クラスノートと宿題をほぼそのまま書けばいいようになっていたと思う。持ち込み可なのはありがたい。この歳になるとなかなか覚えられない。
一方で、金融数理は履修登録を取り下げた。「悔しいです(ザブングル風)」。その分、修論をがんばりたい。
師匠は先週提出した修論を3人分しか読まれていなくて、俺の分は来週コメントするとのこと。来週までにカルマンフィルタによるパラメータ推定を終わらせたい。EViewsでやろうとしているのだが、使い方を調べながらやるのでもどかしい。アフィン・イールドカーブのモデルを拡張した形なので各満期の金利が状態変数である短期金利とインフレ率のアフィン型になっている。特に定数項が複雑なのでC++で自分で全部書いたほうが結局は早いかもしれない。悩ましいところです。1月の発表用資料も作れとのこと。
写真は丸の内イルミネーション2009。仲通りがシャンパンゴールドに輝いていてきれいです。12月ですね。
スペインはゴリゴリのカトリック国だが、街を電飾で飾るようなことはない。クリスマスは親戚どうしが集まって歌を歌う程度で比較的質素だ。日本のクリスマスのほうがはるかにイベント色が強い。日本のクリスマスがどういう経緯で今のようになったのかは興味深い問題だが、日本のクリスマスの雰囲気は、これはこれで嫌いではない。ただ、街中がカップルだらけになるので、彼女のいない男どもにはやや辛い時期となる。

2009年12月2日水曜日

クリスマス・イブ


××ゼミは、一日で修論をつき返されたそうだ。恐るべし××ゼミ。
オレの論文も当日の朝までかかって半分寝ながら書いて、読み返してすらいないので、ダメダメだろうなァ。
こんなはずではなかった。研究計画書を書いた頃のまっすぐな気持ちを思い出そう。
写真は大学院の向かいのビルのクリスマス・ツリー。もう12月だ。今年は本当に「あっ」と言う間だったな。
世界中のなかでオレが最も好きなミュージシャンは山下達郎で、最も好きな曲は「クリスマス・イブ」だ。最初に聞いたのは大学1年のときだった。当時達郎はNHK-FMでDJをやっていて、発売前のMelodiesの曲をオンエアして、それが最初だった。聴いてすぐに好きになった。JR東海のCMで人気が出る随分前だ。
あまりに好きなので、田舎に帰ったとき、風呂場で(当然、エコーを効かせるため)、ラジカセを2台使って、メトロノームとフォークギターで歌った自分の歌にピンポン録音で自分の歌を多重録音していって、間奏のパッヘルベルのカノンのコーラスを再現した。それで、そのテープを友人に聞かせて気色悪がられたものだ。
入社1年目のとき、偶然山下達郎のコンサートのチケットを手に入れたのだが、仕事のノルマ(当時の証券会社は厳しいノルマがあったんです)を達成できていなかったオレは、結局コンサートに行けなかった。今でも後悔している。
あるとき、山下達郎は自分の歌のことを「サラリーマンのための応援歌」だといっていた。
Led Zeppelinは「天国への階段」を演奏する前に「希望の歌だ(I think this is a song of hope)」と言うのだが、オレにとっては何千回聴いても飽きない「クリスマス・イブ」は”希望の歌”だ。

2009年12月1日火曜日

休む間もなく

11月までにできなかった、制約付き最適化、マルチンゲール、摂動法、EViewsへの移植は12月中にやりたい。

事務局からメール。

平成21年度3月修了予定者の「修士論文プレ報告会」を下記の通り行います。
平成22年3月末に修了を予定されている方は、この「修論プレ報告会」にエントリーし、発表することが必須となります。

┏━━━━━━━━━【プレ報告会実施概要】━━━━━━━━━━┓
 ■日時: 2010年1月7日(木) 18:20~21:30
2010年1月8日(金) 18:20~21:30
           ※お一人当たりの持ち時間は、15分間になります。
             (プレゼンの時間12分、質疑応答3分)
    ※終了時間は発表人数により前後する可能性が有ります。  
■場所: 第1講義室 及び 第2講義室
    
   ※詳細については、後日お知らせします。
 ■当日までに準備するもの: 発表用ファイル、配布用資料(教員用)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━【12月13日(日)までに共同研究室へ連絡頂く事項】━━━┓
  ①エントリーの有無 
  (※エントリー資格のある方:11月30日締切の修論原稿を提出された方)
    ↓  エントリーする方は・・・
 ②修士論文タイトル ※仮のものでも結構です。 
 ③どうしても都合のつかない日時 ※ある場合のみご連絡ください。

  *注意* 12月13日(日)までに必ずご連絡をお願いします。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

統計科学の数理 第7回

来週、試験。宿題の内容で形を変えて出題。持ち込み可。

最良棄却域、ネイマン・ピアソンの補題。最強力検定。一般に片側検定であれば一様最強力検定(Uniformely Most Powerful Test, UMP Test)が存在する場合が多いが、両側検定である場合には存在しない。

P-値、単純仮説、複合仮説、t-統計量。

1標本での検定、正規分布に関する検定、平均の検定、分散の検定、2項分布に関する検定、ノンパラメトリック検定、順位検定(rank tests)、符号検定、Wilcoxon符号付順位和検定。

2標本問題。2つの正規分布に関する検定、対標本の場合、等標本の検定、Behrens-Fisher問題、Welchによる近似、等分散の検定、2つの2項分布に関する検定

ノンパラメトリック検定。2標本Wilcoxon順位和検定。

ベイズ検定。ベイズ統計学では、データに含まれる情報と事前分布とを組み合わせ、パラメータθの事後分布を求める。

12月に修論のレベルを上げていかないといけないので、金融数理を切るかどうか検討中・・・。