2009年4月16日木曜日

マルチンゲールによる確率論

 ゼミでBrennan and Xia(2002)のDynamic Asset Allocation under Inflationを取り上げて発表した。まだまだ消化不良だが、1年前は、この手の連続時間モデルにはさっぱり歯が立たなかったことを思うと、ICSで鍛えられたおかげで、「この手の論文を理解できるようになる」という当初の目標は達成できていて、非常に手応えを感じる。ありがとうICS。

 この論文の基本的なアイディアはCox and Huang(1989)のマルチンゲール・アプローチである。動的な問題を予算制約によって静的な問題に変換し、価値関数にかわって最適な投資額が未知となる。静的な問題は標準的なラグランジュ法で解くことができる。

 パラメーターの推定はカルマンフィルターによる最尤法である。連続時間のモデルになれてくると、モデルの記述がすっきりしていてロジックが分かりやすくなる。

 Brennan and Xiaの手法は、修論で使うモデルの候補のひとつになる。もう一つはCampbell and Viceira(1999)。Campbell and ViceiraはEpstein and Zinの再帰的効用関数を離散時間で近似して解いている。

 この調子で確率論を強化したいと思ったので、oazoの丸善で「マルチンゲールによる確率論」D.ウィリアムズを買う。この本は、数学をきちんと勉強してきていないオレでも分かりやすい。ついでに微分積分の強化のために「解析概論」(高木)も買う。

 秋学期に(無謀とは知りつつ)統計科学の数理と金融数理を取りたいと思うので、今から修論をきっちり準備しつつ、統計と金融数理の準備もしていきたい。

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