2009年5月9日土曜日

日本ファイナンス学会第17回大会

ファイナンス学会に行ってきた。豚インフルエンザの感染者が日本で発生したが、予定通り開催された。今回はわが母校、青山学院大学で行われた。前回のアジア合同開催のときと違って参加者が多い。無料だから?日本語だから?東京だから?

「流動性のシステマティックリスクと株式リターン」廣瀬勇秀(住友信託銀行、パッシブクオンツ運用部)
 流動性をシステマティック流動性とアブノーマル流動性に分類していた。流動性βというのを考えて、市場の流動性が高くなると流動性βの高い銘柄のリターンも高くなるとの報告。討論者は早稲田の宇野さんで、そもそも売買高と流動性は違うのではないかなどと指摘していた。そのあたりの細かいところは学者は厳しい。本格的にデータで分析する前に、そのあたりをきちんと整理しておくべきだろう。余談だが、後からどんどん人が入ってきて、席が足りなくなっていた。

「Dynamic Optimal Portfolio and Relative Risk Aversion」本多俊毅(一橋)
 本多先生はCRRAを持つ投資家の集団でも相対リスク回避度が異なっていると全体ではDRRAになる。その場合も、最初に配分した後は、各自がCRRAの通常の手法で解けるので解を求めるのが思ったほど大変ではない、ということを発表されていた。本多先生の話し方は、普段と同じなので、まるでICSの授業を聞いているようだった。討論者は東大の高橋先生で、λを求める方法、ALMへの応用、最初と最後の同値性の証明を質問されていた。高橋先生のあの喋り方も、なつかしい。

「Optimal Investment with Direct Preference for Wealth, Higher Borrowing Rate, and Regime Switches」木村俊夫(住友信託銀行)
 この人の顔は前回も見たことがある。前回もレジーム・スイッチング・モデルの話だったかな?マートン問題を、効用関数、金利、レジーム・スイッチの3点で拡張している。もしかしたら自分の学位論文もこういう風になっていたかもしれないと思いながら聞いた。あと6ヶ月でここまで行けるか、あるいはこんな場所で発表できるかと思うと、やるべきことは多いと感じた。討論者は一橋の斉藤さん。金利の設定で微分不可能なところ(kink、ジャンプしてしまう)の処理は簡単ではないと指摘されていた。

明日は、中村さん、岩城さんが楽しみ。

それにしても自分の学位論文はどうするか?とりあえず次回のゼミ発表のCampbellのGlobal Currency Hedgingを読んでいるところ。そういえば、Kさんの会社の社長はヘッジファンド業界の知り合いが多いので、一度紹介してくれるといってくれていた。早く、モデルと論文を完成させないと…。

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