近所の図書館にあったので借りてきてパラ見しているけど、これは超面白いですね。ケインズってすごいな。早速買おう。
「レーニンはこう語ったと伝えられている。資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させることだと。政府はインフレを継続することで、密かに、気づかれることなく、国民の富のうち、かなりの部分を没収できる。この方法を使えば、国民の富を没収できるだけでなく、恣意的に没収できる。
インフレによって、当然といえる以上に、そして本人の期待や望みすら大きく超えるほどに棚ぼたの利益を得た人たちは、「暴利をむさぼる悪徳商人」だとされるようになり、労働者階級の憎しみを受けるとともに、インフレで貧しくなった有産階級からも、それと変わらないほど強い憎しみを受ける。
インフレが進み、通貨の実質価値が月ごとに激しく変動するようになると、債務者と債権者の間の恒久的な関係、資本主義の根幹になっている関係が完全に混乱し、ほとんど意味を失う。そして富の獲得の過程が博打と富くじに堕していく。
レーニンはまったく正しかった。社会の基盤をくつがえすには、通貨を堕落させることほど巧妙で確かな方法はない。インフレの過程では、経済法則の隠れた力をすべて、社会秩序を破壊する方向に動員でき、しかも、社会の秩序が破壊されていく理由を、百万人に一人も理解できないのである。」
『ケインズ説得論集』の英語版はこちらからフリーで読める。
ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』の英語版はこちら
日本語訳はこちら
"A Trieties on Probability"(1921)はこちら
「平和の経済的帰結」の英文はこちらで見れます。
「孫の世代の経済的可能性」(1930)の英文はこちら。
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