2011年10月20日木曜日

ベクトル自己回帰モデル (VAR)

今日の日経・経済教室でノーベル賞を取ったシムズとサージェントの業績が解説されていました。シムズが提唱したVARも注目度が上がっているようです。そこでVARに関連した本を紹介します。
私が初めてVARを知ったのは北川源四郎の「時系列解析プログラミング」でした。私にとってはバイブルのような本で、いまでもしばしば参照します。この本は現在絶版ですが、モンテカルロ・フィルターの章を加えて、Fortranのコードを除いた形で「時系列解析入門」として発売されています(コードは著者のウェブからDLできる)。右の本はAICで有名な赤池弘次の「ダイナミックシステムの統計的解析と制御」です。日本でおそらく最初のVARの応用であるセメントキルンの制御を題材にVARが詳しく書かれています。
「時系列解析の方法」は時系列分析を概観した入門書です。ここまでは工学系の本でしたが、「経済の時系列分析」は時系列分析の経済分析への応用に関して書かれた比較的初期の本です。
経済への時系列分析の応用を念頭に書かれた本としては、やはりハミルトンの「時系列解析」がバイブルといえます。日本語訳は絶版のようですが、英語版はまだ売っています。分厚いので、持ち運ぶ気にはなりません。

実際に、時系列モデルで経済を分析した本としては宮尾龍臓の「マクロ金融政策の時系列分析」があります。係数に制約を置いた「構造VARモデル」を利用したさまざまな分析が載せてあり、大変参考になります。Juseliusの「The Cointegrated VAR Model」は共和分VARモデルを使った経済分析の手法が丁寧に解説してあります。
VARモデルは、今ではEViewsなどの計量分析ソフトにはデフォルトで入っているので簡単に利用できます。

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