2012年7月21日の日経夕刊【ウォール街ラウンドアップ】に『穀物高、リスクオンに盲点』という記事が出ていた。
「シカゴ市場の大豆とトウモロコシは食料危機といわれた2008年半ばの水準を超えた。一方、それを受け止める世界経済は当時よりもろい。」
「今回は現実の供給不足が根底にあるだけに、状況はより予断を許さないとの見方もできる。
株式市場にとっては『リスクオン』と『リスクオフ』という単純な二元論による相場分析の盲点を突かれるきっかけになるかもしれない。」
コモディティはもともと株や債券など伝統的資産とは異なる動きをするのが特徴。株の値下がりに対する保険としてファンド勢などが分散投資の手段として活用してきた。ただ、2008年秋の金融危機前後から、リスク分散効果に着目した年金など大口投資家がコモディティに殺到。金融緩和マネーがあらゆる資産を横並びで買い上げたこともあり、株と似た動きをするようになった。
BoAMによると、米株式とコモディティとの連動性は2003年~07年の10%から、08年以降は62%に高まったそうだ。
「景気が良く需要が強いために商品価格が上がる」局面では株高とコモディティ価格高が両立しうるが、現在のように景気低迷下で供給不安を理由に上昇する「悪い商品高」は、株価にマイナス、と。
個人的には、原油・ガソリンとは異なり、穀物高のマクロ経済への影響は限定的だろうとはおもう。原油・ガソリン価格の上昇はマクロ経済に多大な影響があるので、景気、株の下押し要因となり、最終的には原油・ガソリン価格の需要を引き下げ、価格抑制につながる。
穀物高の場合は、マクロ経済への影響は限定的だろうし、需要はそうは減らないし、供給も簡単には増えないから、しばらく続くような気がする。
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