2010年1月17日日曜日

姫野カオルコの『受難』、『ツ、イ、ラ、ク』










修論の締め切りも近づいてきて、ここのところずっと修論ばかりやっている。ブログのネタもないですよ・・・。気分転換も兼ねて先週しなかったデグー、カメ、バルーンモーリーの掃除を一気にやる。

右の写真のゴミが浮いているように見えるのはバルーンモーリーの赤ちゃん。左は同じ水槽のエビ?。分かりにくいが木の枝の上に頭を下にしている。エビ?はエサのかすを掃除してくれるらしいということで子供が一緒に買ってきたもの。

ずっと修論をやっていると現実逃避したくなるので姫野カオルコの『受難』を買ってきてときどき現実逃避した。『受難』は米原万里の『打ちのめされるようなすごい本』のなかで薦められていた(彼女が『受難』の解説を書いている)ので興味を持った。どうも自分のなかで元アイドルでアーティストの新井カオルコとイメージがごっちゃになっていた(歳がバレルね)。

いやー、すごかった。これは小説でしか表現できない世界だな。テーマは「処女の悲しみ」とでも言えばいいのだろうか。こんなテーマの小説は今までなかったのではないだろうか。テーマも凄いが設定やスタイルもすごい。このテーマに迫るにはこういうスタイルしかないと思わせる。なんでこれに直木賞が与えられなかったのか疑問。

『受難』がおもしろかったので『ツ、イ、ラ、ク』も読んだ。『受難』とくらべるとはるかに普通の小説。地方の田舎が持つ独特の閉塞感はぼくも地方出身者なのでよく分かる。ただ、登場人物が多く視点がばらばらになるスタイルは姫野の良さを殺している気がした。

個人的には『受難』のほうが圧倒的におもしろかったが、一般の人には『ツ、イ、ラ、ク』の方が人気だろうな。表紙は『ツ、イ、ラ、ク』のほうが圧倒的にかわいい。

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