2010年7月15日木曜日

みんなの党の日銀法改正案はひどい

なんで日本の政治家は経済学や金融のイロハすらちゃんと勉強しないのかね?渡辺善美もひどいね。経済学的には無知だな。菅直人も経済学的には無知だが。
日本は経済学的には無知でも政党のリーダーになれて、経済・金融を語れる国なんですね。国が滅びるね。少なくとも国会議員になるにはアナリスト1次試験合格を義務付けたほうがいいのでは。
自民党、民主党もダメだけど、だからとってみんなの党もダメダメだな。経済・金融政策でまともな政党は出てこないのか。どこに投票すればいいの?
渡辺は「経済学の本を一冊も読んだことがない」と公言しているらしいけど、無責任すぎないか。政治家がそんなことを言うこと自体が信じられないが、経済・金融政策を語る前に、きちんと経済学を勉強すべきだろう。
日銀法改正案の問題の第一は、そもそも日銀の独立性を脅かすことだ。第二は不良債権を日銀に買わせて、政府が損失の補填をするとしていることだ。中央銀行が不良債権を買うべきではない。こんな議論が出てくること自体が信じられない。そんな中央銀行は世界中のどこにもない。世界の笑いものだよ。耳を疑うよ。
問題の第三はインフレ目標の設定だ。デフレは日銀のせいで、日銀ならデフレを終わらせられるという誤った認識をしている人が少なからずいるようだ。デフレで、政策金利が0.1%の日本で中央銀行がやれることはもうない。量的緩和をしてベースマネーを増やしても日銀の口座に貯まるばかりで、インフレにも円安にもならなかったではないか。
デフレなのは有効需要が不足しているからで、金融政策では有効需要を増やすことはできない。これはケインジアンでもDSGEでも同じ。有効需要が増えない限り、たとえなんらかの金融政策で一時的にインフレになったとしても(ならないとは思うが)、2%を超えてきたら利上げをするわけで、そうすると再びデフレに戻るだけだ。政策金利が乱高下するだけで有効需要が増えない限り結局デフレになる。中央銀行は行き過ぎたインフレを利上げで(不景気にすることによって)引き下げることはできるが、デフレをインフレにすることはできない。鯨に空を飛べといってもできない相談だ。
みんなの党の日銀法改正案は百害あって利はまったくない。ひどいものだ。
別に俺は日銀の味方をする気は全くないが、日銀や金融政策に対する初歩的な誤解が多すぎる。

公務員削減など、みんなの党には期待していたのだが、日銀法改正案を聞いて失望してしまった。経済・金融政策に関しては全く立案能力がない。

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

"経済学や金融のイロハ"から"みんなの党の日銀法改正案がひどい"というのは具体的にどの部分についてなのでしょうか?

J.S.エコハ さんのコメント...

どの部分かわかりませんか?

匿名 さんのコメント...

追加の投稿読ませていただきました。
少し感想を述べさせて頂きます。

第一点の日銀の独立性ですが、みんなの党の日銀法改正案は目的と手段の独立性を厳密に分け、前者については政府(つまり国民)が設定する、ということだと思われます。このような制度は極めて自然で、米国・英国その他先進国も同様の制度設計です。

第二点についてですが、中央銀行が不良債権を買うべきでない、とありますが通常の経済状況ではそうだと思います。では今回のFRBによる国債以外の買取りについてはどのようにお考えですか?

第三点のデフレですが、これが日銀のせいかどうかは議論が分かれるかと思います。ただゼロ金利制約にについては以下のペーパーを一読されることをお勧めします。

マッカラム「ゼロ金利制約に関する誤解」
http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/2006/kk25-4-3.pdf

金融政策で有効需要云々の件ですが、金融政策で有効需要を増やすことができないのに、金融引き締めをすることにより需要がしぼむのはなぜでしょか?何か非対称性でもあるのでしょうか?

またケインジアンでは金融政策で有効需要を増やせないとありますが、私の知る限りIS-LMでは金融政策が有効であると結論付けているように思えます(IS-LMが良いモデルかどうかは疑問ですが)。
DSGE(というよりこの場合ニューケインジアンでしょうか?)でも期待を通じた金融政策が分析の柱ですし、現在でも様々な拡張が行われています(こちらにも色々問題があることは承知しています)。ただKameさんがゴリゴリの中西部の人wでしたらスミマセン。

数理ファイナンス専攻なので数学は問題ないかと思われますので、是非とも金融政策関連のテキスト(Woodford, Walsh, Gali)・論文にも触手を伸ばしていただければと思います。


長文失礼いたしました。

J.S.エコハ さんのコメント...

ご指摘ありがとうございます。ご指摘いただいた論文はだいたい読んでいます。
第二点はFRBの状況と今回の日銀の状況とは異なるという考えです。
論文を読めと他人にいう前に、みんなの党の日銀法改正でデフレを脱却できるという破綻のないロジックを教えていただけませんか。

匿名 さんのコメント...

Kameさん
お返事ありがとうございます。

みんなの党の日銀法改正案はWSJの記事しか手元にないのですが、おそらく政府・日銀でアコードを締結、インフレ目標(1~5%の間で適当な幅)を設定することになると思われます。

日銀は与えられた目標を達成すべく、長期国債、外債、ETF等々を大幅に買い切るオペを実施、また改正案2条に該当する企業向け債権(これは銀行から市中へ資金が回るよう促す仕組みで銀行に対する援護射撃かつ日銀の手段が一つ増えることを想定しているものと思われます)の買取りを行います。

この政策の主眼は民間経済主体のインフレ期待を上昇させる事ただ一点です。期待の上昇で資産価格(株、債券、為替)はおそらくかなり変動すると思いますし、銀行のポートも変更せざるを得ないでしょう。企業も同様で手元の流動性を大きく減らすことになります。当初の目標インフレ率を高く設定する必要がある(と個人的には思います)のは、かなり無茶をしても大丈夫なようにとの配慮です。

いかがでしょうか?
難解なロジックではないと思われます。
“期待を変更させる”という部分が一番説明が難しいかとは思いますが、、、、


ところでKameさんは今の日本のマクロ経済をどのように評価しているのでしょうか?金融・財政政策はどのようにあるべきと思っているのでしょうか、興味があります。

J.S.エコハ さんのコメント...

コメントありがとうございます。ただ、私には随分論理が飛躍しているし、取るべき政策とは思われません。
私のブログのようないいかげんなところではなくて、ちゃんとした経済学会やジャーナルで議論されてはどうですか。