『数理ファイナンスの基礎』は数理ファイナンス全般に関して書かれており、とくにマリアバン解析と漸近展開について書かれているのが本書の特徴。マリアバン解析に関して書かれた書物は少ないので貴重(マリアバン解析については重川の『確率解析』も詳しい)。タイトルの「基礎」というのはあくまで「数理ファイナンスとしては基礎」という意味であって、ある程度(金融工学ではなく)数理ファイナンスに関して勉強してきた人でないと内容を理解するのは相当困難と思われる。少なくともシュリーヴの「ファイナンスのための確率解析2」を読んで理解できる人でないと厳しい。
マリアバン解析はICSの中村先生のコンピュテーショナル・ファイナンスの一回目の宿題に突然出題されて、さっぱり分からなかったものだ(笑)。中村さんはややサディスティック。でも、あの授業はもう一度受けたい。今なら理解できそう。
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