2010年8月30日月曜日

実務家と理論家で意味が異なる債券用語

債券用語は同じものを異なった呼び方で呼んだり、同じ言葉を別の意味で使ったりして混乱しやすい。
スポットレート r(t)
実務家は割引債イールドの意味で使う。この場合のtは満期。理論家は短期金利の意味で使う。離散時間では時点tから始まる1期間の割引債イールド、連続時間モデルでは時点tにおける瞬間的割引債イールドを指す。
フォワードレート f(t、T
理論家は、離散時間モデルでは時点tにおける将来時点TからT+tまでの1期間における割引債イールド、連続時間モデルでは、時点tにおける将来時点Tの瞬間的な割引債イールドをさす。一方、実務家は現在の割引債イールドから計算される将来時点の利回りをさすことが多く、こちらはインプライド・イールドあるいはインプライド・フォワードレートと呼ばれる。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

大学で勉強していた時「スポットレート」の意味を理解するまで1年ぐらいかかりました。ネットで調べるとtが時点だったり残存期間だったり。

tが時点になっているときはrは瞬間スポットレート(満期がすごく短い金利の年率換算)という解釈でよろしいでしょうか?

あと、「定義が複数あるということ自体を知る」ことが重要だなと思いました。

J.S.エコハ さんのコメント...

その解釈でいいと思います。
定義が複数あると、混乱してしまって無駄な時間を費やしてしまいますね。私も最初は混乱しました。
誰かと議論しているときに、相手がスポットレートとかフォワードレートといったときは、どっちの意味で喋っているかに注意しましょう。