2010年4月5日月曜日

クレジット・リスク(木島)

クレジット・リスク(木島)の1章を読む。
クレジット・リスクが市場リスクと異なる特徴は、(a)考慮すべき期間(リスク・ホライズン)が長い、(b)リスク発生のメカニズムは、起こるか起こらないかの二元的である、など。
割引国債はスポット・レートを状態変数にもつデリバティブと考える。
リスク・ホライズンにおけるデリバティブ価格の従う確率分布を求めるためには、
(1) リスク・ホライズンにおける状態変数の従う確率分布を観測確率を使って求める;
(2) リスク・ホライズンにおけるデリバティブの価格を、その時点以降のリスク中立確率を使って計算する
ことが必要となる。
デフォルト時点の確率分布を知ることがクレジット・リスク計量化の最初のステップである。
価格の期間構造を見積もるためにはデフォルト発生時点での損失を割り引く必要があり、したがって金利の期間構造を取り込んだ動的なモデルが必要である。少なくとも
(1) デフォルト時点τの従う確率法則
(2) 回収率の確率分布
(3) リスク中立確率に関する無リスク金利の期間構造モデル
の三つが必要となる。
証券価格は、『現在および将来にわたってその資産がもたらすすべてのペイオフを割り引いた合計のリスク中立確率に関する期待値』である。
デフォルトを考慮した金融商品の価格付けに関する研究は
(1) デフォルトを内性的に算出するもの (Merton, Black and Cox)
(2) デフォルトの要因を外性的に与えるもの (Longstaff and Schwartz)
(3) デフォルト過程そのものを外性的に与えるもの (Jarrow and Turnbull)
に分けられる。
Jarrow and Turnbullは影の師匠、中川先生の今年のM1ゼミで取り上げるそうなので、俺も読んでみよう。



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