2010年4月25日日曜日

This will be my Soros trade.

 "The Greatest Trade Ever"を半分まで読む。John PaulsonとPaolo Pellegriniを中心に語られていくのだが、同様に米国モーゲージ・バブル に対してショート(空売り)しようとした人物が何人か描かれていく。Scion CapitalのMichael Burryもそのうちの一人。タイトルの"This will be my Soros trade"はMichael Burryが自分のモーゲージに対するショートについて考えたこととして84ページに出てくる。"Soros trade"は例のイギリス中央銀行のポンド買いに対する歴史的なポンドの売り崩しのトレードのこと。Sorosの一世一代のトレードとして既に伝説と化している(実際のトレードはStanley Druckenmillerがやったらしいが)。

 俺たち世代にとってはああいうSoros tradeをいつか自分もしたいというのが運用のモチベーションになっている。Paulsonも当然そう考えていた。
一方で、バブルに対するトレードの難しさはそれがいつまで続くかが予想できないことだ。皆、これがバブルだということはけっこう簡単に気づく。ただし、ショートするタイミングが難しい。たいていの場合、皆、仕掛けが早すぎて、我慢できなくなり買い戻して損をするか、破綻してしまう。
 バブル相場で失敗した例が6章に書かれている。Jesse Livermore, Michael Steinhardt, Jeffrey Vinik(Fidelity), Julian Robertson, Stanley Druckenmiller, Adolf Merckle。このうち、Livermore, Merckleは自殺してしまう。VinikとRobertsonの失墜は俺も外国株のファンドマネージャーとしてリアルタイムで見ていたので良く覚えている。
 また、モーゲージを簡単にショートするツールである"synthetic CDS"をDeutsche BankのGreg Lippmannらが開発したことがPaulsonらにとって非常に重要だったことが分かる。Paulsonはもともとリスク・アービトアージの専門家なのでモーゲージは素人なのだ。そのためモーゲージをショートするファンドの資金集めにも苦労している。アメリカ人でも「モーゲージはモーゲージのプロに」と考えてしまうのだな。その道に詳しいかどうかと高パフォーマンスを挙げられるかどうかは関係ないのだが、その辺のことは運用の本当のプロでないと分からないものなのだな。固定概念というか偏見というか。
 俺は自分の"Soros trade"を見つけることができるのだろうか。

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