"Empirical Evaluation of Hybrid Defaultable Bond Pricing Models" (Schmid, Zagst, Antes 2004)はハイブリッド型の4ファクターモデルで、しかも推定をカルマンフィルタで行っている。4ファクターは、短期金利、マクロ経済、不確実性、信用スプレッド。カルマンフィルタはプログラムがシンプルで計算負荷も少ない。とりあえずこのモデルからとりかかることにする。
期間構造のアフィン・モデルではパラメータを求めるのに微分方程式を解く必要がある。ヴァシシェク型だと通常の微分方程式、CIR型だとリカッチ型の微分方程式を解く必要がある。ということで斉藤の『単位が取れる微分方程式ノート』で微分方程式の解法を確認する。
9 件のコメント:
始めまして。kameさんのブログのファンで、ひそかにずっと読んでいました。
現在自分は学部生(三年)なのですが、将来は数理ファイナンスに関する職に尽きたいと考え、現在独学で勉強中です。勿論、国内です数理ファイナンスをメーンで扱う院に行くことを希望しています。
質問なのですが、学部生レベルで数理ファイナンスを将来的に理解する上で、読んで置くと良いと感じられる本等(数学も含めて)は御座いますか?
今のところ、Jハルの「options,futures,and,other derivatives」を勉強しています。他にはネフツィやキンドルバーグの教科書を学習予定です。
宜しくお願いいたします。
頌人さん、
コメントありがとうございます。
学部生ならあまり厳密性にこだわらないで、ファイナンスの全体像を概観できるような本がいいと思います。
そういう意味ではハルはいい本だと思います。あとはルーエンバーガーの「金融工学入門」あたりでしょうか。
同レベルのお勧めとしてプリスカの「数理ファイナンス入門 離散時間モデル」、連続時間ではビョルクの「数理ファイナンスの基礎―連続時間モデル」があります。
デリバティブ寄りの本では「ファイナンスの確率解析入門(藤田)」、「デリバティブ価格理論入門(バクスター、他)」がお勧めです。
次のレベルとして「ファイナンスのための確率解析Ⅱ(シュリーヴ)」、「ファイナンスへの確率解析(ラムベルトン、他)」、「ファイナンスのための計量分析(キャンベル、他)」があります。
院にはいってからはダフィーの「資産価格の理論」です。
数学(特に微分積分)はできるにこしたことじはないので、藤田の「穴埋め式らくらくワークブック」の微分積分、確率・統計、線形代数をやっておくと良いと思います。あと永田「統計学のための数学入門30講」もいい本だと思います。
それでは、がんばってください。
実務的には、Riccati型ODEなんかはRunge-Kuttaで計算させるのが最も効率的かと。
初めまして。
いつも非常に楽しんでいます。
社会人一年目です。大学院で利付国債、社債のモデル作って、スポットレートやデフォルトリスクの期間構造のパラメータ推定やっていました。
社債は流動性や回収率を価格式に組み込むと式がかなり複雑で、実用性が無くなってしまうイメージがあります。
勉強したての頃は債券は株と違ってキャッシュフロー割り引くというモデルの大元が決まっていて好きだったのですが、結局勉強すればするほど債券も難しいです。
おお、影の師匠、コメントありがとうございます。そうですね。実務的にはRunge-Kuttaで求めるのが、一番手っ取り早いですね。勝手に「影の師匠」と呼ばせていただいています。
kobaさん、パラメータの推定にはどういう手法を使われていましたか。海外の論文ではいろいろな人がいろいろな手法で推定していますね。どれか、決定的な手法はないのでしょうか。
債券のモデルは株と比べて、格段に複雑ですね。
ご返信有難う御座います。
あと一つ伺いたいのですが、国内で数理ファイナンスを学ぶ際、何処の院がお勧めでしょうか?やはり東大の金融システム専攻でしょうか。
宜しくお願いいたします。
頌人さん、
フルタイムの大学院なら東大の金融システム専攻でしょうか。教授陣は日本のトップレベルだと思います。個人的には高橋先生が好きです。他のところはよく知らないのですが、京大、東工大あたりでしょうか。
社会人向けならICSがいいと思います。
でも、本気で数理ファイナンスを極めるのなら、アメリカのそれなりの大学院に行った方がいいと思います。いくら掛かるのか知りませんが。
ご返信有難う御座います。
高橋教授は有名ですね。元LTCMという経歴が若干あれですが笑。
現在、ソブリンリスクについて論文を書いていますので、また伺いたいことが出来ましたらぜひご指導お願いいたします。
有難う御座いました。
頌人さん、
>ソブリンリスクについて論文を書いていますので
論文、がんばってください。ソブリンリスクは、いまの金融業界では非常にホットな話題ですね。
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