2010年9月23日木曜日

ザ・クオンツ(2) ユージン・ファーマ


「私が今から述べることのすべては、真実ではない。」
「効率的市場仮説(EMH)。マーケットは効率的だ」
「株の銘柄選択をするのは、完全な時間の無駄だと証明されている。」
「私が君たちに伝えていることのなかで、100%真実だというものはない。これは数理モデルの話だからだ。統計学、ヒストリカル・データ、トレンドなどを見て、そこから何かを予想することはできる。でもこれは物理学ではないのだ。物理だったら、スペースシャトルを組み立て、打ち上げて軌道に乗せ、それが一週間後にケープ・カナベラルに着陸するのを見ることができる。マーケットは、それよりもはるかに不安定で予測不可能なものだ。われわれに分かっているのは、現実世界に対するモデルをベースにした近似でしかない。これがまさに効率的市場仮説のことだ。何十年にも及ぶリサーチや、大量のデータに基づいた仮説。われわれが間違っている可能性はつねに存在する。」
「実際には、われわれは正しいのだと私は確信しているがね。マーケットが本当に効率的かどうかは、神のみぞ知る、だ。」

ファーマの論文は味わい深いので原論文をじっくり読むべきだろう。ファーマとフレンチはCAPMをくつがえすという野望があったそうだ。バリュー株はつねに成長株よりもパフォーマンスが良いということも発見している。実はこの現象は米国よりも日本の市場においてより顕著に当てはまっている。前に実際に検証したことがあるが、日本においてはバリュー株のほうが圧倒的にパフォーマンスが良い。ただし97年のような二極化相場や99年のITバブルのような局面ではうまくいかなかったように記憶している。


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