2010年10月2日土曜日

心の中に「バブル」を起こそう 「一日一バブル」宣言

「セレンディピティの時代 」茂木健一郎 第23章

「爆発的に何ものかに取り憑かれ、我を失うほどに熱狂する。
バブルとは、何ものかが自分の中で膨れ上がり、暴れまわり、自分がどうなるかわからない、自分がどうなるかわからない、自分で自分がコントロールできない、今まで立っていた地平はどこへ行ってしまったんだー!と叫びたくなるような一連の出来事である。バブルはやがて去っていくけれど、バブル以前と以降では、確実に人格が変わっている。新しい自分に入れ替わっている。
人間の脳には、もともとバブルと呼べるような仕組みが備わっている。それが「一瞬の閃き」。私が「アハ! 体験」と呼んでいるものである。
目や耳などの感覚器官から外部の情報を得て、それを処理して最もふさわしい行動を選択して行う、というのが、普通の脳の活動だけれども、何かに気づいたときに、その通常業務をやめて、脳の神経細胞を0.1秒だけ一斉に活動させる。0.1秒だけ、脳の中の思念をぜんぶその問題に投入する、というのが「閃き」である。
脳の司令塔である外側前頭前野(LPFC)が「今おもしろいことをやっているから、みんな一瞬それに集中してね!」と、脳内の全神経細胞に指令を出す。これが0.1秒間起こるが「閃き」の仕組みなのである。
なぜたった0.1秒かというと、それ以上だと通常業務に差し障りがあるから。そしてその0.1秒が過ぎると、おー、なんと! 世界が変わって見える、ということがあるのである。
恋愛はバブルの代表選手だ。」

以下概略。
 セレンディピティを育てるために、「一日一バブル」を心がけよう。新しいものに出会って自らが変わるために、自分で自分の中にバブルの熱気を巻き起こそう。そのためには「脱抑制」に努めよう。もっと自由になろう。自分の内側から沸きあがってくる衝動に目を向けよう。
「生命」としての動きを止めないこと。周りにぼんやりと見えているものに気づき、そこに注意を向けることで偶然の幸運との出会いは始まる。
偶然の幸運は、絶えざる運動の中にしか現れない。人生の他のさまざまな大切なことと同様に。

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